第20話 ランクアップ

 私が魔法鞄マジックバッグからオーク3体を出すと、その場に居た人達が驚いていた。

 なにか不味い事をしたのかと思ったので、受付係さんに聞いてみる。


「あれ?出す所を間違ってました?」

「あっ、いえ、まさかオークが丸々3体も出るとは思わなかったので……スゴイ」

「普通の魔法鞄マジックバッグってどのくらいの容量なんですか?」

「私の知る限りではオーク1体ですかね(汗)」


 受付係さんと容量の話しをしてると、大柄のおじさんが質問してきた。


「嬢ちゃん、それはどれだけ入るんだ?」

「今のが限界ですね」


 無限なんて言えないから適当に嘘をついておくと、捲し立てるように質問してくるの。


「嬢ちゃん、それをどこで手に入れたんだ?」

「言わないと約束してるので答えれません」

「いくらで売ってもらったんだ?」

「言わないと約束してるので……」

「平民じゃないよな?」

「平民ですよ(スライムだけど……)」


 どれも答えれないので、困っだ顔で受付係さんに助けを求めると間に入って止めてくれた。


「ゴンズさん、必要以上の詮索するのはマナー違反ですよ。」

「あぁ、すまねぇ……」

「では、オーク3体の解体をお願いしますね。ハルカさん受付へ戻って手続きに戻りましょう」


 受付係さんと一緒に解体場から受付へと戻って手続きを再開する。


「オーク3体の討伐は確認出来ましたが、解体が終わるまで確定しないので待ってもらうか、肉代だけ明日にでも取りに来るのなら、討伐代を直ぐにお支払い出来ますがどうしますか?」

「解体に時間が掛かるみたいなので、肉代は明日にして討伐代だけ貰えますか?」


 この後に買い物へ行きたいので、肉代は明日にでも受け取りにくる事にしたの。


「判りました。では手続きしますので少々お待ちください」


 待ってる間にアニエラと話しをして、今日は討伐代だけしか貰えないので、キッチン道具と調味料だけを買いに行く事にして、明日は依頼を受けないで町で買い物を楽しむ事にしたの。


「ハルカさん、お待たせしました。こちらが討伐代金の金貨1枚と銀貨50枚になります。今回の討伐依頼達成でGランクからFランクへとランクアップされたので、こちらが新しいハンター証になりますのでお受け取りくださいね」


 ハンターになって2日目でFランクになるとは思ってなかったので質問をしたの。


「ランクアップって、もっと時間が掛かると思ってましたよ」

「ハルカさん達は例外ですよ。新米ハンターで魔物を狩れる方が珍しいんですから(汗)」

「そうなんですね。田舎者なので、その辺りの常識が無いので色々と聞くと思いますが、よろしくお願いします」

「こちらこそ、有能なハンターが来てくれて感謝します」


 お金と新しいハンター証を受け取ったので、私達は冒険者協会から出ようとしたんだけど……簡単には出る事が出来なかったの(汗)

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