第19話 魔法鞄

 3人の男達に襲われるアクシデントがあったけど事なきを得たの。私は気持ちを切り替えて、本来の目的だったオークを討伐を再開したの。

 薄暗い森を進み始めると、並列思考セレブロから〚気配感知センスサーチ〛に反応があった報告を受ける。


『2時の方向に反応が3つある。大きいから間違いなくオークだね』

『OK!アニーが殺る?』

『うん、血剣ブラッドソードは駄目何だよね?』

『うん、肉が必要だから綺麗に倒してね』

『OK!』


 倒し方を確認すると、アニーはオークを目指して飛行で移動する。そしてオークを視界に捉えると〚風刃ウインドカッター〛を放って先頭のオークの首を刎ねた。次に右側のオークとの間合いをつめてから、腰の鞘から双剣を引き抜いて首を刎ねると、残りのオークへ視線を向けた。オークは大きな棍棒をアニエラに振り下ろしたけど、サイドステップで躱してから飛び上がって、オークの頭上から双剣を突き刺したところで戦闘は終了した。


「はい、終わりっと♪」

「お疲れ様〜♪」


 私はオークへ亡骸を〚無限収納〛へ回収してから、アニエラの頭を撫でると嬉しそうに抱き着いてキスをしてきた。


 昨日みたいにならないように、今日はこのまま町へ戻って精算をしてから買い物へ行く事にしたの。


「アニー、町へ戻って精算したら、キッチン道具と調味料を買うよ。時間が甘ったら服もかっちゃうおうか?」

「調味料良いね♪今日から美味しくご飯が食べられるんだね!早く戻ろう〜♪」


 並列思考セレブロに周囲の気配が無い事を確認してもらってから、小道までは飛行で移動してからは町まで歩いて戻って、冒険者協会で討伐依頼完了の手続きをしてもらう。


「こんにちは、Gランクハンターのハルカとアニエラです。オーク討伐依頼から戻ってきたので、討伐依頼完了の手続きをお願いします」


 そう言ってからハンター証を提出する。


 受付係さんは肉が見当たらないので質問してきた。


「えっと、オーク肉はどこにあるのかな?」


 私は大きなオークなので解体場みたいな所へ持って行くのかと思ったんだけど、ここで出すのか聞いてみた。


「ここでオークを出すんですか?かなり大きいけど大丈夫なんですか?」

「建物の外に置いてるのかな?それなら解体係に連絡するわね」

「あの……私の魔法鞄マジックバッグ(本当は〚無限収納〛)に入ってるんですよ(汗)」


 魔法鞄マジックバッグと答えた瞬間、建物内に居る人達がこちらを見たの。魔法鞄マジックバッグって貴重なのかな?


「ハルカさんは魔法鞄マジックバッグをお持ちなんですね……スゴイ。解体場へ案内するので私と一緒に来てもらえますか?」

「はい!」


 受付係さんに連れられて解体場へ着くと、大きなおじさん達が色々な魔物を解体していた。


「ここへオークを出してもらえますか?」

「はい」


 私は指定された場所へオーク3体を出すと、解体場におじさん達が驚いた顔でこちらを見てたの……なにか不味い事をしたのかな?

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