第18話 暴漢

 私達はトーレス町の東にある森へ移動する。周辺地図にはオークの住処となっているので行けば見つかるよね。相手がオークなので余程の油断をしない限り負ける事は無いので、2人ともリラックスして移動してると、並列思考セレクトから報告が入ったの。


『冒険者協会を出てから3人の男達が後をつけてるよ。』


 冒険者協会から後をつけられてると言うけど、ハンターなら私達と同じオーク討伐なら行き先が同じになるからね。過剰反応かも知れないから様子を見る事にした。


『たまたま行き先が同じかも知れないよ?もう少し様子を見てから判断しよう』

『ハルカの判断に任せるよ。僕は引き続き感知しておくよ』

『うん、ありがとう♪』


 暫く歩き続けると森の中へ入っていくと、急に薄暗くなり雰囲気が一変する。オークを探す為に小道から外れて森の中へ足を踏み入れてると、後ろから声がしたので振り返る。


「お〜い、お嬢ちゃん達!森は危険だよ」


 誰かと思ったら、雑貨店から家具を運んでくれたお兄さん達だった。採集依頼で間違って森に入ったと思って声を掛けてくれたのかな?走りながら近寄って来たの。気に掛けてくれたのは有り難いけど、魔物討伐に来てるので問題ない事を伝える。


「あっ、お兄さん。大丈夫で……」


 と伝えてる途中、先頭のお兄さんの手が私の胸元を掴んで復を引き裂いて、私の小ぶりな胸が露わになる。


「やっ……ちょっと、何をするんですか?」


 私はお兄さんを突き放して、距離をとって露わになった胸を両手で隠すと、『ニヤニヤ』しながら近寄って話し掛けてきた。


「森は危険だと言ったろ?」

「まぁ、森よりも俺達が危険なんだけどな」

「抵抗しなきゃ痛い思いはしないぜ。俺のイチモツがデカ過ぎて痛いかも知れないが、直ぐに気持ち良くなるから大丈夫だよ(笑)」


 ゲスな笑い声をあげながら私達に近づく3人に、私は冷めた表情になり処分する。


『3人とも私が殺るね』

『は〜い、怒ったハルカも可愛い♪』


 私は胸を隠していた両手を離して〚血剣ブラッドソード〛を発動させてると、3人は驚いて後退りする。


「な、なんだそれは、まさか魔法なのか?」

「うん、魔法使いだよ。さようなら♪」


 そう言ってから〚血剣ブラッドソード〛を振って3人を斬り、瞬時に血液を吸収して干物にした。


[カース]〚大工〛〚木樵〛

[ゲスー]〚地図作成マッピング

[ダメオン]〚槍術〛


 雑魚なのにスキルを持っていたので、〚大工〛〚地図作成マッピング〛〚槍術〛を取っておいた。


 服を破かれてなければ、スキルを取れたから文句は無かったんだけどね(汗)


 なんて思ってると服が元通りになっていて、露わになっていた私の胸は、服に隠れて見えなくなっていたのだった。


「あれ?服が元通りになってるよ!」

「ホントだ破れて胸が見えてたのに」


 私とアニエラが元通りになった服に驚いてると、並列思考セレブロが理由を教えてくれた。


『その聖衣は自動調整があるからね、破れても自動に戻るんだよ』


 サイズ調整だけじゃなくて、破れても元通りとかこの聖衣ってとんでもない代物なのかな?服が破れてなかったので雑魚からスキルを奪うだけのイベントとなり、私の機嫌も良くなりオークを探して狩る事にしたの。


➖➖➖➖新たなスキル➖➖➖➖

〚大工〛木材を使って物を作る能力で、建具から家屋まで作る事が可能。


地図作成マッピング〛移動した場所の全てを地図にする能力。


〚槍術〛槍を用いた戦闘術を身につける能力。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る