実はスライムって最強なんだよ？初期ステータスが低すぎてレベルアップが出来ないだけ…

第74話 懐かしの場所

　屋敷の改装案が出来るまでの間は、ルカとトラパーネはグローニャで従業員探しをしてもらう。

「従業員の雇用数はルカに一任するよ」

「私達は特殊な存在なので、不利益な事を口外しない特殊雇用契約を結ぼうかと思ってます」

「難しい事は判らないからよろしくね」

「はい」

　そして、私はアニエラとエルピス山脈の向こう側でファミリアを移設する候補地を探す。

「さぁ、私達も頑張って探すよ！」

「ファミリア商会の改装が終わるまでには、良い場所を見つけたいね」

「今回は沈黙の森（フォレスト オブ サイレンス）辺りまで探索範囲を広げるよ」

「OK！懐かしいね。少し楽しみかも〜」

「じゃあ、転移するよ〜」

「おー！」

　確かに私も実は楽しみだった。本格的に強くなり始めた場所だからね。木に囲まれた場所だけど、木を取っ払ってしまえば、案外使える土地なのかも知らないからね。そんな期待も込めて探す事にしたの。

『パッ！』

　沈黙の森（フォレスト オブ サイレンス）の近くへ転移する。

　広大な森を見渡すと懐かしさを感じていると、いつもヤンチャなアニエラも、私と同じように感慨深い表情をしていた。

「さぁ、候補地を探そうか。私は森の中を探索して行くからさ、アニーは周辺に水源がないか探索してくれる？」

「OK！エルピス山脈とは、違う方向を探してくるね」

「うん、お願いね〜」

　私はアニエラと別れて探索を開始する。

　先ずは、ゴブリン将軍級（ジェネラル）を倒した川の砦を訪れて、砦の川の流れに沿って上流と下流をたどって水量を確認する。

　上空を飛行しながら川の砦があった場所へ訪れる。水責めをして壊滅した爪痕がまだ残っていて、私が堰を作った所から上流へ向かって行く。

　水が湧き出るポイントを見つけた。とても綺麗な湧き水で、飲料水としても使えそうだけど、菜園に回せる水量ではなかった。

　次は下流へ向かって行くと、なかなか大きな川になっていて、見た感じでは十分な水量だと思えた。周りは当然だけど鬱蒼とした森だけど、樹木を全て伐採すれば広大な土地と、木材は建物を建てる材料として使えて、一石二鳥になりそうだと思ったので、50m四方にある全ての樹木を〘無限収納〙へ収めて地面を状態を確認する。

（これはかなりいい感じかも。アニーを呼んで意見を聞いてみようかな）

『アニー、なかなか良さそうな場所があるの。今から迎えに行くから確認してみてよ』

『OK！待ってるね』

　アニエラへ〚以心伝心〛で迎えに行くと伝えた後は、直ぐに転移で移動してから、私の見つけた場所へ連れて行って確認してもらった。

「ここなんだけど、とりあえず樹木を収納したらこんな感じなんだよね。必要な土地の分だけ樹木を取り除けば、良い場所だと思わない？」

「良いと思う！水も綺麗だし沈黙の森（フォレスト オブ サイレンス）の中なら人目に付かないから安全だよね」

　アニエラも良い場所だと言ってくれたので、ファミリアへ戻って報告をしてから、眷属を連れてきてこの場所で良いのか決める事にした。

「ファミリアへ帰って報告しようか」

「うん。みんなを連れて来て見せれば、この場所で納得するよ」

「そうだね。じゃあ帰ろう！」

　懐かしの沈黙の森（フォレスト オブ サイレンス）で最高の場所を見つけたので、アニエラを連れてファミリアに報告しに戻ったの。