第73話 改装依頼
画廊を出てからは真っ直ぐ建設ギルドへ向かうと、ルカが言うには『他とは一風変わった建物』なので直ぐに判ると言ってた。
メイン通りを歩いてると、神殿みたいな建物が見えてきて、あれが建設ギルドだと判った。一応、隣を歩いてたルカが建物を指さして教えてくれた。
「あれが建設ギルドですよ」
「あぁ、なんか場違いな建物だね……」
「はい、趣味が悪すぎますね」
「どれだけ凝ったデザインでも建てれると、あの建物を見せて言いたいのかもね」
そんな話をしながら、建設ギルドの建物の中へと入っていくと、案内係に声を掛けられる。
「ようこそ建設ギルドへ、どのようなご用でしょうか?」
「私は、ファミリア商会の代表ハルカ.ファミリアの秘書を務めるトラパーネと申します。ファミリア商会を立ち上げる為に、店舗用の屋敷を購入しました。それに伴い屋敷全体の改装を考えているので、改装の相談に参りました」
「改装の相談ですね。担当者を連れて来ますので、こちらの部屋でお待ちください」
「はい、お願いします」
部屋に案内され、ソファーに腰をかけながら担当者が来るのを待ってる間に、外観のイメージを思い浮かべながら用紙に描いていると、トラパーネが私の絵を見て感心しながら話してきた。
「流石は〚絵師〛のスキルですね。その絵を見せれば打ち合わせがスムーズに進みますよ」
「絵心が無かったから〚絵師〛をコピー出来てラッキーだったよ。外観はこんな感じかな」
トラパーネと話しながら外観のイメージ画を描き終えたところで、案内係と担当者が部屋へやってきた。
「ハルカ様、大変お待たせしました。改装を担当する者を連れてきました」
「お待たせしました。私は建設ギルドで改装を担当してる【イボンヌ】と申します」
「私は秘書のトラパーネと申します。こちらはファミリア商会代表のハルカ様、隣りはファミリア商会の店長を勤めるルカです」
互いの挨拶を済ませると、案内係は頭を下げてから部屋を後にすると、イボンヌが席に着いたところで改装の相談を始める。トラパーネが屋敷の全体図と私が描いた外観イメージ画を渡す。内装については改装案を見てから、イメージをしようと思ってるの。
イボンヌは渡された資料を見ながら質問をしてきて、改装する方向性を決めていく。
「なるほど、住居用の屋敷を店舗に改装するのですね」
「はい、1階は店舗と商談室を、倉庫は地下室があるので必要ありません。2階は住居スペースにして、ハルカ様の部屋は大きく取ってください」
「かしこまりました。外観はこのイメージ画が素晴らしいので、こちらで手を加える必要はなさそうですね」
「必要な素材はこちらで揃えるので、必要な人材の手配をお願いします」
「判りました。内装については、お聞きした内容を踏まえて間取りの提案をさせて頂きますね。1週間ほどお時間を頂けますか?」
「はい、来週にでも立ち寄らせてもらいますね」
「かしこまりました。お待ちしてます」
イボンヌとトラパーネが話を進めてくれたので、1週間後に改装案を聞きに来る事になった。
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