第22話 努力の成果を披露する

 子供達ニーニョズの討伐訓練を竜門Dragon Gateの5階層で開始する。


 私が先頭に立って、〘万能感知〙で魔物の気配を探しながらダンジョンを進んでいると、蜥蜴リザード3体の気配を感じた。


「角を曲がった50m先に蜥蜴リザードが3体居るよ。2人が先頭で魔力銃の射程圏内まで近付いて、そこから1体ずつ撃ってみようか」

「「はい」」


 2人がパーティーの先頭に立って、蜥蜴リザードに気づかれないように気を付けながら、少しずつダンジョンを進む。少しペースがおそ過ぎる気がするけど、その辺りは討伐が終わってからアドバイスする。


 さらに進んで行くと、2人が蜥蜴リザードの存在を目視出来たみたいで、さらに移動速度を落として近付いて行くと、こちらの気配を気付かれてしまい動きました。


「気付かれたよ!射撃の体制で圏内に入ったら撃つんだよ」

「「はい」」


 私は〘翼刃ウイングブレード〙を発動させて、3体のうちの1体を瞬殺して2対2の状況にして狙いやすくする。


「「やぁー!」」

『バンッ、バンッ!』


 2人とも魔力銃での実戦は初めてなので、少し焦り気味に発射すると、メドサンの魔弾は肩に当ったので体勢を崩して転んだけど、アグリの方は外してしまい勢いが止まらなかった。私は危険と判断して〘翼刃ウイングブレード〙で頭を貫いて討伐すると指示を出す。


「まだ終わりじゃないよ!体勢を崩した1体が残ってるから気を抜かないようにね」

「「はい」」


 先ずはメドサンが投げナイフ手にして、蜥蜴リザードの足へ向かって投げて、動きを止める行動をとる。


『シュッ、シュッ!』

「キシャー!」


 放ったナイフが蜥蜴リザードの両前足に当たると、体勢を維持できずに頭を地面に着けて倒れた。今がチャンスと思ったメドサンがアグリへ声をかけて決着を狙う。


「アグリ、今だよ!」

「任せて!やぁーっ!」


 アグリは背中の槍を手にして蜥蜴リザードへ向かいながら、真ん中にあるボタンを押すと柄が長くなり、槍先を前に向けて蜥蜴リザードに近寄ると、後ろ足で踏ん張って飛び上がって体当たりをしてきた。


「危ないっ!」


 私が動こうとすると、アグリは冷静に槍を腹部に突き刺して体当たりをうけとめると、メドサンが心臓にめがけてナイフを投げ当てた。


『シュバッ!』

「キシャーー!」


 最後は雄叫びをあげてから魔石を残して消滅していった。2人は私の想像以上のコンビネーションで、見事に蜥蜴リザードの討伐に成功したのだった。


「お疲れ様!初めてにしては上出来だね。次の討伐をする前に、少しアドバイスをするから、終わったら討伐訓練を再開するね」

「「はい」」


 今回の悪かった点を指摘をすると、メドサンは細かくメモを取って、理解できなければ質問をしてきた。アグリは何を言っても頷くだけで、こんなにも個性が違うのかと驚いた。


 私達からのアドバイスが終わると、次の蜥蜴リザードを探す為にダンジョン内を移動を再開したのだった。

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