第46話 魔法銃の模型

 4人の訓練をしながらも空いた時間があれば、パインと魔力浸透率の高いイディアル輝石を軸に、魔法銃の開発を急いでいた。

 今日は〘万能創成〙で簡単な模型を作ったので、パインに見てもらう為に工房を訪れた。


「パイン、前に言ってた魔法銃何だけど、簡単な模型を作ってみたから持ってきたよ」

「おぉー!早く見せてください」


 私が〘無限収納〙から模型を取り出して渡すと、手にとって様々な角度から銃を眺めていた。


「絵で話していた時よりも、模型を触るとイメージがし易いですね。このグリップに指が3本当たるのか、そこにイディアル輝石に触れるように加工するんですね」

「ちょっと銃を貸してくれる?本当に適当なんだけど、中の構造も考えてみたんだよ」

「はい、どうぞ」


 パインから銃を受け取ってから、固定しているピンを抜いて模型を分割させる。そして、私の考えた構造を教える。


「グリップからイディアル輝石でこの場所に魔力を集めるの」

「グリップが魔力を蓄える倉庫になるんですね」

「うん、魔力が魔力倉に溜まると、このトリガーが出るようにして人差し指に当たれば、トリガーを引く事で魔力弾を発射する感じ」

「あっ、魔力の圧力でトリガーが押し出されるから、それを引き戻す事で筒を通って放出させるんですね!実分を見ると実感が湧きます!」


 目を輝かせながら私の説明を聞いてから、銃を手にして念入りに確認すると、魔法銃がどんな物か実感が湧いたみたい。その気になれば〘万能創成〙で魔法銃は作れると思うけど、鍛冶師の領域を素人の私が踏み入ろうとは思ってないので、細部の作成はパインに任せる。


「魔法銃に使うイディアル輝石は、限界まで濃縮しても大丈夫かも知れませんね。浸透率が高ければ、使用者の魔力量消費を抑える事ができるので、発射回数を増やせますね」

「そうだね!あの子達は魔法を使えないから、この魔法銃を持たせれば、身を守る魔法具として役に立ちそうだね」

「頑張って開発を進めますね」

「私もなにか思いついたら直ぐに伝えるね」


 魔法銃に関しては開発の目処が立ってきたかな?後は貴重なミスリルを使った武器だけど、エリカは既にミスリル製の鞭を装備してるので、アニエラトラパーネの装備を作ってもらう。私は〚翼刃ウイングブレード〛があるから急ぐ必要がないからね。その事をパインに伝えておく。


「ミスリルを使った装備なんだけど、アニーの双剣とパーネ大剣を先に作ってあげて欲しいの」


 パインは、私の名前がない事に少し驚きながら返事をする。


「ハルカさんの装備はどうするんですか?」

「私はこれがあるから急がないよ〚翼刃ウイングブレード〛!」

「わっ!それが武器になるんですね……凄い」


 パインに〚翼刃ウイングブレード〛を見せると、目を丸くして驚いた後に納得してくれた。

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