第10話 冒険者協会へ
私達はトーレス町へ入る。
町は碁盤のように整備されていて、大通りが南北に5本と東西に4本通っていて、その間に小通が幾つも通っていた。
『ハルカ、冒険者協会の目印は槍でXを表した看板だからね』
「すみません、冒険者協会へ行きたいんですが道を教えてもらえませんか?」
「ここは黄色通だから冒険者協会は赤色通の土筋の近くにあるからね」
通とか筋の意味がさっぱり判らなかったので、その辺りも聞いてみる事にしたの。
「すみません、この町に来たばかりで通とか筋の意味が判らないんです。教えてもらっても良いですか?」
「あぁ、そういう事ね。南北に進む道の事を【通】。東西に進む道の事を【筋】と言うんだよ。通には青・赤・黃・白・黒の5つの通があって、筋には火・風・水・土の4つの筋があるんだよ。こんな感じで判ったかな?」
「はい、判りました。どうもありがとうございました♪」
通と筋を理解したので、改めて冒険者協会を目指して歩き始める。
しかし、この町を整備した人は転生者なのかな?確か京都ってこんな感じだったような気がした。ひょっとすると私以外にもこの世界へ来た転生者が居て、出会う可能性があるかも知れないと思ったの。
聞いた通りに歩いてると、アニエラが目印の看板を見つけたので教えてくれた。
「ハルカ、あそこに槍の看板があるよ!」
「ホントだ!アニー凄いね♪ありがとう」
見つけたアニエラを褒めると、私の手を握って冒険者協会の建物へ走り出して、両開きのドアを開けて入っていった。
建物の中は両サイドに掲示板があって、部屋の中には幾つかの丸テーブルが置かれている。奥の方には受付カウンターがあって、そこで色々な手続きをするんだと思ったので、私達は受付カウンターへと向かったの。
受付カウンターの前に着くと、受付係さんが元気よく挨拶をしてくれた。
「こんにちは、冒険者協会トーレス支部へようこそ!本日はどのような用件でしょうか?」
「初めまして。私達はハンターになる為にやって来たので手続きをお願いしたいのですが?」
そう言って、門兵さんより受け取った仮証明を提出した。すると受付係さんは手慣れた様子で手続きを始めてくれた。
「確かに仮証明を受け取りました。こちらがハンター登録申請書になるので、判る範囲で良いので記入して提出してくださいね」
「はい、判りました」
受付係さんから申請書を受け取って、申請書の内容を確認しながら記入をする。
【名前】ハルカ
【年齢】12歳
【職種】魔法使い
【属性】水・土
【名前】アニエラ
【年齢】11歳
【職種】魔法使い
【属性】火・風
余り真面目に書くと騒がれそうなので、適当に嘘を書いて提出した。
「2人とも魔法使いなんですね。2人は一緒にハンター活動をするのならパーティ―登録もしておきますか?」
「パーティー登録のメリットを教えて貰えますか?」
「ハンター活動にはパーティーじゃないと受けれない依頼があるのと、他のパーティーから勧誘された時に断り易いですよ。お2人は魔法使いなので誘われる事が多いと思いますよ」
知らない人から声を掛けられるのは面倒なので、パーティー登録もする事にしたので、パーティー登録申請書も一緒に提出したので必要な手続きは全て完了したの。
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