第58話 現地調査②

 エルピス山脈の北側を3人で手分けして、周囲に水源がないかを調査を開始する。私も上空に上がって探そうとすると、並列思考セレブロが声をかけてきた。


『ハルカ、川は2人に任せておいて、僕達は開けた土地を探さないか?』

『うん?水源がないと生活が出来ないよ?』

『開けた土地を見つけて、そこに地下水脈があるかを調べるんだよ。ハルカの土魔法なら地層の深くまで調べれると思うんだ』

『なるほど、確かに土魔法なら簡単に穴が掘れるね。OK!私は開けた土地を見つけたら、片っ端から穴を掘りまくるね』

『僕はアニーとパーネに伝えておくよ』

『うん、ありがとう』


 そこから、私は大きく開けた土地を見つける事にして、上空から良さそうな場所があったので、地上に降りて地下水脈があるのかを確認する。

 私は地面に両手を当ててから、土魔法を発動させて水脈があるのかを探す。200m辺りまで穴を掘ったけど水脈には当たらなかった。


 簡単に水脈には当たらないよね。でも穴を開けまくるのはなかなか面倒だな……もっと効率的な探し方はないかな?なんて考えていると『あっ』と良い方法をひらめいた。


 万能感知に音感知サウンドサーチがあるので、地中を流れる水脈の音を聞けるかも知れないと思った。


 私はもう1度地面に両手を当てて、万能感知で地中の音を確認してみる。微かに流れのような音を感じたので、音の発生源の真上に移動して穴を掘ってみた。


『ズズ…ズッボッ!』

『シャーッ』


 100mほど掘り下げると水脈に当たったようで、水が上がってきたので下がって様子を見る。


『ドバッ、ドバッ、ドバッ!』


 水脈だったけど、湧き出る勢いが弱く水量は少ないので、人が増えなければ問題はないけど、人を増やして発展させるには全然足りない。


『ここはハズレだったか…、穴を埋めよう。並列思考セレブロ、一応はこの地点に印をして覚えておいてね』

『了解』


 気を取り直して次の場所を探し始めると、アニエラから〚以心伝心〛で連絡がくる。


『ハルカ、ハルカ!』

『どうしたの?良さそうな場所があったの?』

『ううん、オークの集落があるの。食用に全部狩っちゃっても良い?』

『良いね!直ぐに転移するから先に狩り始めても良いよ!』

『OK!全滅させちゃうね〜』


 アニエラがオーク集落を見つけたので、貴重なタンパク源になるので狩る事にした。沈黙の森フォレスト オブ サイレンスからエルピス山脈を目指した時、オークに遭遇しなかったのは運が良かったのかな?ゴブリン将軍級ジェネラルを倒せていたから、オークなら問題なかったかな?そんな事を思いながらアニエラの元へ転移した。


『シュン』


 アニエラのいる場所へ転移すると、既にオークの集落はアニエラの手によって壊滅していた。オークが暮らしてた集落だけど、菜園と果樹園を移設するには手狭だった。


「50匹くらい居たけど全部狩ったよ」

「お疲れ様、当分はお肉に困らないね!」


 そう言って後は〘無限収納〙へオークを収めて、食用になる肉以外は粉末状にして肥料として保管した。解析分解って本当に便利だ。


「この集落はちょっと小さいね。並列思考セレブロに印を付けてもらうけど、他の場所を探す必要があるね」

「うん、頑張って探してくるね!」

「よろしくね」


 アニエラと別れて現地調査を再開した。

 

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