第20話 アンデットエリア

 トラパーネに案内されながら次のエリアへ繋がる通路を通って行く。


「私のエリアと違ってアンデットエリアは【スカルナイト】と【スカルメイジ】が最も多く出現します。【デスナイト】と【デスメイジ】という上位種がエリアの終盤から現れます。アンデットはこの4種類で、魔物については通常の魔物です」

「そうなんだね。ありがとう♪」

「はい!」


 トラパーネがアンデットエリアの情報を色々と教えてくれたので、礼を言うと頬を赤らめながら笑顔で返事した。身体は小さいのにスキルで〚大剣術〛があったのが気になったので、その事を聞いてみると〚空間魔法〛で大剣を『パッ』と取り出して『ブンブン』と振り回してくれた。


「おぉー!パーネは見た目と違って武術も出来るんだね。〚空間魔法〛のみで戦うんだと思ってたよ」

「へへっ、信じてもらえないかも知れないけど、私は巨人族ジャイアントの末裔なんです。私は混血で巨人族ジャイアントの特性の巨漢は現れませんでしたが、パワーだけは引き継げたんです」


 大きな身体だと何かと不便な事が多そうなので、巨漢以外の能力を引き継いでるなんて、トラパーネは良いとこ取りで生まれてるって思ったの。


「こんなに可愛いのに巨人族ジャイアントなんだ!巨漢より今の方が全然いいよ。可愛くて力持ちなんてさ最高じゃない!私に言わせれば良いとこ取りだよ」

「私は小さな身体にコンプレックスを持ってましたが、ハルカ様にそう言われると小さな身体で良かったと思えます♪」


 巨人族ジャイアントに生まれて小さな身体をコンプレックスに感じてたみたい。私の言葉で解消されたのなら良い事だよね♪


「この歪みを通過するとアンデットエリアです。トラップエリアと違ってトラップは無いので安心してくださいね(笑)」

「「助かるわ(笑)」」


 私達は歪みを越えてアンデットエリアへと足を踏み入れた。


 アンデットエリアと聞いてたので、もっと鬱蒼としてるのかと思ったけど、石畳で綺麗に整備された通路と天井には灯も備えられていて、エリアマスターは余程の綺麗好きなんだろうと思えた。


「あっ、言い忘れてましたが、アンデットが現れる時は『ボワッ』と煙が出てから現れるので注意をしてくださいね。あっ、あんな感じです!」


 トラパーネが指差すと『ボワッ』と煙が出て、煙の薄っすらと消えていくと、剣を持ったガイコツ騎士が1体現れた。


「先ずは私が触れるからね」

「あぁ、その後はあたいに任せてくれ!」


 私はトラパーネからコピーした〚空間魔法〛で、スカルナイトの背後に回って軽く触れて元の場所へと戻ると、エリカが鞭を振って攻撃を仕掛けると、スカルナイトは反応して剣で鞭を受け止めた。


『ビュッ』『ガッ』

「雑魚かと思ったら案外やるね~、アニー!」

「はいよ〜♪」


 剣と鞭が絡まった状態で引き寄せると、スカルナイトはエリカ方へ引っ張られると、アニエラが双剣を交差させて頭を砕いた。


『パラパラ……』


 頭を砕くとそのままスカルナイトは魔石を残して消滅した。エリカの初手で簡単に倒せると思ったけど、このエリアは戦闘を楽しめそうだね♪

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