第33話 総力戦

 しっかりと休息を取ってから、巨大迷路の攻略を再開する。


 相変わらず魔物達はバランスのとれた編成を組んで現れる。そんな魔物達との戦いを楽しみながら巨大迷路を進んで行くと、遂に出口らしき扉が見えてきた。ここまでの戦いから、簡単には出してくれないんだろうと思いながら、先へ進んで行くが魔物は現れない。『えっ』と思いながら出口らしきものを通り抜けようとすると、並列思考セレブロから報告が入る。


『あの扉の向こうから魔物の反応があるよ。数は50体を越えてるかな?もっと多いかも知れない』

「終わったと安心させたところを一気に襲撃するつもりだったのかな?気をつけて出るよ」


 並列思考セレブロからの報告を受けて、私は扉を手では開けずに、風魔法で扉を吹き飛ばしてから、土魔法で作った土人形を送り出す。

 土人形が現れた瞬間に、大量の飛来物が飛んで来て土人形は一瞬で崩れ落ちた。


「私が空間魔法で転移して全ての注意を引き付けるから、3人はその隙に入って安全を確保してね」

「「OK!」」「かしこまりました」


 私は土人形を壊された場所より更に先へと転移する。突然私が現れた事に驚いたのか、少し反応が遅れながらも物理と魔法が襲ってきた。私は翼刃ウイングブレードを展開して周囲を高速回転させて全ての攻撃を受け止めて、魔物達の注意を引き付けてる隙に3人が出て、アニエラが簡易だけど石の壁を作って安全を確保する。


『ハルカ、アニー達が出てきたよ』


 並列思考セレブロが3人が出てきた事を教えてくれたので、3人へ指示を出して魔物達へ反撃を開始する事にした。魔物達の数を考えれば総力を上げて私達を倒そうとしてるので、この戦いに勝てば巨大迷路を踏破できると思って間違いないね。


『この数だから全開で戦うよ!アニーとエリカは魔法を発動させて、パーネは空間魔法で死霊人デスリッチを片付けて欲しい。私は剣蜥蜴ソードリザードを片付けるよ』

『『OK!』』


 トラパーネが1人で攻撃と空間の魔法を使用すると、魔力消費が激しいので直ぐに魔力枯渇に陥る。なので分担してもらう事にしたの。


 アニエラとエリカが攻撃魔法を発動すると、トラパーネは死霊人デスリッチへ魔法を転移させて次々と片付けていく。1人で両方を担うより遥かに狙い易いみたいで、私と戦った時より精度が高かった。


『私も負けてられないね!翼刃ウイングブレードの防御は任せるよ』

『OK!』


 防御は並列思考セレブロに任せて、私は剣蜥蜴ソードリザードを片付ける事にした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る