第89話 奴隷市場からの通知

 クラリスがファミリア商会から戻って来たので、奴隷市場から届いた開催通知を受け取って、早速中身を確認する。


【奴隷市場 開催のお知らせ】

 ◯月◯日、タッタリア侯爵邸のダンスホールにて、奴隷市場が開催されます。


 ご覧の通知書が入場券となり、同伴者は2名まで認めますが、身元の確認をして認められない場合は、同伴者の入場をご遠慮していただくことがございますが、ご了承ください。


 支払いに関しましては、当日のお支払いとなり、全額の支払いができない場合は契約不成立と、奴隷市場の会員資格を剥奪致します。


 出品予定種族は、ヒューマン5名・エルフ3名・ドワーフ2名・ハーピー1名・ミニョン3名・ヴァンパイア1名となります。詳細につきましては別紙でご確認ください。


「流石に獣人は出品されてないね。このミニョンっていうのはどんな種族なの?」


 他の種族は判るけど、ミニョンは初めて聞く種族だったのでみんなに聞いてみると、エリカが答えてくれた。


「身長が60cmほどの種族で、こよなく平和を愛して驚くほどに友好的で、疑うことを知らない純朴な性格だから、ペットとして飼われるんだよ。本当は薬草などを調合して、薬を作るのことに優れた種族なんだ」


 ペットってことは、小さくて可愛い感じなのかなって思ってると、メドサンがミニョンに興味を持ったようで発言した。


「私では簡単な薬しか作れないので、ファミリアに必要な人材だと思います」


 ファミリアの健康管理を行ってる者らしい発言に、その場に居たみんなが頷く。あんなに小さかったメドサンが、こんなに立派になったことを喜び、ミニョンを購入することを決めた。


「私がポーションを作るより、薬を作れるなら薬草栽培もできるから、住民の仕事が増えるから良いかも知れないね。購入するってことで良いよね?」

「「異議なし」」


 その後は別紙で出品者の詳細を見たけど、そこには性別・スキルが記載されていて、その中からピックして購入候補になったのは、ミニョン1名を含む3名だった。


【名前】チル Lv2/100

【種族】ミニョン(female)

【HP】15【MP】10【体力】10

【敏捷】10【精神】5

〚調合〛


【名前】デボラ Lv20/200

【種族】ヴァンパイア(female)

【HP】105【MP】150【体力】100

【敏捷】110【精神】25

〚求血〛〚血魔法〛〚超速再生〛

〚風魔法〛〚細剣術〛〚飛行〛


【名前】ピコリ Lv10/100

【種族】ドワーフ(female)

【HP】70【MP】20【体力】75

【敏捷】25【精神】20

〚鎚術〛〚鍛冶〛


 ミニョンは3人とも〚調合〛を持ってたけど、みんなが女性を推したのでチルになった。ヴァンパイアは単に私の興味本位なだけ。そして、別紙を見た瞬間にパインが歓喜した、ドワーフのピコリは〚鍛冶師〛ではなく〚鍛冶〛だけど、補助を任せるには問題はないみたい。


 チルとピコリだけは絶対に手に入れたいので、アネロに頼んでペイトン侯爵に、平均的な必要資金を確認してもらうことにした。

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