第90話 衝撃の事実を知る

 リクルト商会に人材紹介の依頼をしてから3日が経ったので、私達は約束通りに店を訪れると、店の前にリリアが立っていて出迎えてくれた。


「ハルカ様、お待ちしておりました。部屋へご案内いたします」

「ありがとう」


 部屋へ案内されて席に着くと、今回紹介してもらう人材の資料を手渡されたので、一通り目を通してみたけど、事前に聞いていた通り鍛冶職も記載されてなかった。これにより、奴隷市場でチルを絶対に購入することが決まった。


「やはり、鍛冶職は見つかりませんでした。ただ、他の人材については満足いくものだと思いますので、説明させていただきます」


 リリアは資料に書かれている人材の説明を始める。その中にはリリア自身も含まれていて、自分が半鳥人ハーフハーピーであることを説明してくれた。リリアは父がヒューマンと母が鳥人ハーピーの間に生まれたけど、鳥人ハーピー最大の特徴である翼を持たず、空を飛ぶことはできないらしい。そのおかげで差別を受けることなく生活を送れたと教えてくれた。


 全ての人材の説明が終わって、私達が気に入ったのはリリアを含めて4人で、その内容は次の通り。


【名前】リリア【種族】半鳥人ハーフハーピー

【スキル】〚風魔法〛〚交渉術〛


【名前】ハティ【種族】ヒューマン

【スキル】〚治癒術〛


【名前】タリア【種族】ヒューマン

【スキル】〚裁縫〛〚生活魔法〛


【名前】サラ【種族】ヒューマン

【スキル】〚調理〛


 クテュールとメドサンの補助に、屋敷で料理を振る舞う人材となるので、簡単な面接をして契約しようと思った。他にもこれはと思う人材が居たけど、トラパーネとアネロの反対にあって、契約は見送ったの。


 どうも眷属達は男性を雇うことに抵抗があるのか、反対されたのは全て男性だったんだよね。なんて思っていたら並列思考セレブロが理由を教えてくれた。


『僕もそうだけど、眷属も異性がハルカに近寄るのは嫌なんだよね』

『異性って、そんなことを言ってたらさ、並列思考セレブロも嫉妬の対象になるんじゃないの?』

『えっ?僕は女だけど?』

『えっ?』


 並列思考セレブロの一言を聞いて、私の思考が停止した。女だって?!


 私の思考が停止して固まってると、笑いながら並列思考セレブロが話しかけてきた。


『まさか、ずっと僕を男だと思ってたの?』

『えっ、僕って言ってるじゃない?まさかだけど僕っ娘だったの?』

『その僕っ娘は判らないけど、僕は女だよ』

『男だと思って、セレブロなんて男っぽい名前を付けちゃってたよ』


 私はずっと勘違いをしていたことにショックを受けながら、4人の面接をして契約をしたけど、並列思考セレブロのことが後を引いて、内容は頭に入ってこなかったのだった。

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