第91話 自己紹介と歓迎会

 並列思考セレブロが僕っ娘だったと知った。私は驚きのあまり、リクルト商会でのことが頭に入らないまま契約を終えて、新しく迎えた4人を連れてファミリアへ戻った。


 屋敷を少し改装して作った会議室で、主要なメンバーを集めて自己紹介をしてもらう。


「リリアと申します。事業拡大に伴い、様々な事務手続きや関係各所との交渉を、アネロと担うことになると思います。ファミリア商会の役に立つよう努めますのでよろしくお願いします」


「ハティと申します。医療のサポートで皆様の健康管理を務めさせてもらいます。気軽にご相談してください。よろしくお願いします」


「タリアと申します。皆様に喜んでもらえる衣服を提供したいと思いますので、どうかよろしくお願いします」


「サラと申します。屋敷で料理を提供させていただきます。皆様のお口に合う美味しい料理を作りたいと思いますので、味付けなど遠慮せずにお伝えください」


「リリアはファミリア商会でアネロの下について、業務と王都への出店にむけて準備を頼みます。ハティは診療所でメドサンの医療サポートを頼みます。タリアはクテュールとともに裁縫工房で、衣服の制作活動を頼みます。サラは屋敷の厨房でハルカ様の食事を作ってもらいますが、ルカから厨房設備の使用方法を確認するように」

「「かしこまりました」」


 4人が簡単な挨拶を終えると、トラパーネが担当する場所の説明をした後に、これから暮らすことになるファミリアを案内した。まぁ、アネロ達を案内した時と同じように驚いてた。


「建国を目指すと聞いても『ピン』と来なかったのですが、実際にファミリアを案内されると、納得できますね。そして、建国に携わることができるなんて光栄です」


 リリアはファミリアの案内が終わった後に、そんなことを口にすると残りの3人も頷いていた。


「ハルカ様は、全ての種族に平等な暮らしを目指します。あなた達はその一員に加われたことを、光栄に思うと良いでしょう」

「「はい」」

「ははっ、そんなに身構えなくてもいいんだよ。私は虐げられることなく、平和に暮らせる場所を提供したいだけだからね。気軽で良いんだよ」

「「かしこまりました」」


 ファミリアの案内を終えると、歓迎会に兼ねた食事会を開いた。食事はルカとパインが用意してくれたけど、明日からはサラが担当するので、それぞれの仕事に集中してもらえるね。


 そして歓迎会では、明日から仕事をともにする仲間との話しに夢中になっていた。特にサラは料理に使われた食材や調味料について、メモを取りながら質問の嵐でルカとパインを圧倒していた。


 そして歓迎会が終わってから部屋に戻ると、並列思考セレブロが僕っ娘だったことを、アニエラ達に報告するのだった。

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