第92話 知ってたけど?

 歓迎会が終わった後に、眷属を集めて並列思考セレブロが僕っ娘だと報告をする。


「あのね、並列思考セレブロ何だけどさ、実は『僕』とか言ってたけど僕っ娘の女だったんだよ!」


 みんなも私と同じように驚いて、言葉も出ないと思ったら……、誰も驚いていなかった。それどころか首を傾げていたことに、私が驚いたの。


(あれ?どういうこと?)


「えっ、並列思考セレブロが男じゃなかったんだよ?ビックリだよね?ねっ?」

「う〜ん、私は眷属になった時から女だと思ってたよ?」

「あたいもアニーと同じだよ」


 アニエラが眷属になった時から女だと思ってたと言うと、エリカも女だと思ってと答える。他の眷属達も『ウンウン』と頷いてる。男だと思っていたのは私だけだったみたい……。


「えっ?だって『僕』って言ったら普通は男だと思うじゃない?それなのに、なんでみんなは女だと思ったの?」


 普通に『僕』といえば男をイメージする。確かに並列思考セレブロの声は可愛らしい声をしてるので、女と思えないこともないけど、それでも『僕』と言ってるから男だと思うもん。私はなんで女だと思ったのか聞いてみた。


「そうですね。声を聞いた感じも女ですし、決定的なのは口調でしょうか?とても柔らかな話し方なので、男だと思うことはなかったです」


 トラパーネが┃並列思考セレブロの声と話し方から女だと思い、男とは微塵も思わなかったみたいで、私だけが『僕』に反応して男だと思い込んでいたようだった。


「私だけが男だと思ってたね……、一番付き合いの長いのに気付けないなんて、ちょっとショックだよ」

『ふふっ、僕としては逆に嬉しいかな?眷属達と違って僕のことを異性だと思って、あんな激しい反応をしてたんだよね?』

「あんっ!」


 私が『ションボリ』してると、突然私の体内を魔力が駆け巡ったので声が漏れる。話し合いをしてる場で、並列思考セレブロがそんな行動を取るとは思わなかったので耐えられなかった。


「こらっ、こんな所で不意打ちするから、変な声が出ちゃったじゃない!」

『だって、この反応は僕を異性だと思ってなんでしょ?眷属達と違って僕だけは特別な存在なんだと思うと、妙に興奮して思わず手を出したくなったんだけど、ダメだったのかな?』

「あぅん!みんなが見てるのにそんなとこっ!」


 変なテンションになった並列思考セレブロは周りを気にせずに、魔力を全身に流すと私はみんなの前で身悶えてしまう。


「その特別も女だとバレたから、特別じゃなくなったんだよ。あたいがもっと感じさせてやるから覚悟しながら!」


 エリカはそう言うと既に服を脱ぎ捨てて、私に襲いかかってきた。他の眷属も続いてきた。準眷属のアネロやメドサン達はその光景に硬直し、ルカは責めてもらう状況じゃないことを、嘆いていたのだった……


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