第88話 会食の報告会

 ペイトン侯爵との会食を終えて、貴族への印象が少し変わったけど、それは妻がエルフのクォーターということだからかも知らない。それでも屋敷で雇われている他種族の使用人達は、本当に幸せそうだった。


 会食の翌日に報告会を開いて、ペイトン侯爵家と交流とマリベルの対応を話し合った。


「そんな感じで、奴隷市場で購入された他種族の人達が幸せに暮らしてたんだよ。私も奴隷市場でできる限り購入をして、奴隷から解放してあげようと思ってるんだよ」

「私も会食に同席したのでハルカ様の考えと同じです。可能なら研修という形でファミリアの住人を派遣して、この屋敷にもあのような素晴らしい使用人制度を導入したいです」


 トラパーネが屋敷に使用人制度の導入を訴えると、職業の1つになると思った。そうなるとペイント侯爵家との親交を深める必要がある。手っ取り早い方法はマリベルを雇うことなので、ペイント侯爵家との交流について話をする。


「使用人制度は確かに良いね。パインやルカも仕事に集中できるし、あのサービスを受けれるのは私も嬉しいかな?そうなるとペイント侯爵家との親交を深める必要があるから、マリベルを雇うべきだと思うけど、みんなはどう思う?」

「最も効果的だと思います。事業拡大で王都への出店をする時に、マリベル様は必ず役立つと思われます」

「アネロの言う通りですね。それと我々に足りない政治や領地運営を学べるかも知れませんので、雇うことに賛成です」


 アネロに続いてトラパーネも賛成だと言うと、他のみんなも頷いてるので賛成みたい。


「じゃあ、マリベルを雇う方向で話を進めるよ。アネロは侯爵家に連絡を頼むね」

「かしこまりました。学園を卒業後に迎えると伝えますね」


 私達が建国を目指す中、足りない知識に政治や領地運営があるので、ペイトン侯爵との交流はそれらを学ぶ絶好の機会になる。その縁を固くする為にマリベルを雇うことにした。学園を卒業したらレアルコンプレト王国の王都に出店する責任者として頑張ってもらおう。


 話し合いが続く中、クラリスから〚以心伝心〛が入った。


『ハルカ様、奴隷市場より開催通知が届きましたが、直ぐに届けましょうか?』

『ううん、営業終了後で良いよ。ありがとう』

『かしこまりました』


「奴隷市場の開催通知が届いたみたいだから、クラリスが戻ったら確認するね。報告会はこれで終わるよ」

「「はい」」

「「かしこまりました」」


 思ったよりも早く奴隷市場から開催の通知が来たので、クラリスがグローニャから戻ったら、届いた書類を確認することにした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る