第17話 空間魔法

「じゃあ、殺し合いを始めちゃおうか(笑)」

「そうだね~」


 命を懸けた戦いを始めるには、なんとも拍子抜けな展開で戦闘が始まった。私達はそれぞれの武器を構えると、トラパーネは『ニコッ』と笑みを浮かべながら魔法を放った。


「どうかな~躱せるかな~〚射撃ショット〛!」


 トラパーネが魔法を唱えると、不規則な場所から石弾が現れ飛んできた。


「えっ、ヤバっ!」

「クッ、なんだよこれは!」


 突然の石弾に驚きながらも、私とエリカで鞭を回転させて石弾を弾いていく。


『アニー、弾き終わったら短剣を投げてね』

『OK!』


 私は石弾を弾きながらアニエラに指示を出して、全ての石弾を弾き終えた瞬間に、アニエラがトラパーネへ向けて短剣を投げる!


『シュッ』

「全部弾いたの!って、わぁ〜」


 石弾を全て弾かれて驚いていたトラパーネは、アニエラの投げた短剣への反応が遅れて、額に短剣が刺さったと思った瞬間に『パッ』と消えると、アニエラが悲鳴をあげた。


『ザクッ』「きゃああ〜」


 アニエラを見ると左太腿に投げた筈の短剣が刺さっていた……弾かれたのなら正面からはね返るので見える筈だけど、短剣はアニエラの背後から左太腿に刺さっている。これはトラパーネの特殊能力で物体を移動させたんだと思った。


「厄介な相手だね……」

並列思考セレブロ、トラパーネを鑑定してくれる?』

『OK!』

「君達はなかなか強いね〜、殺すのが勿体ないけど仕方ないね〜〚射撃ショット〛!」


 トラパーネが再び魔法を唱えると、不規則な場所から石槍が襲ってきた。鞭では弾くには大き過ぎるので、私は魔法で弾く事にした。


「簡単には殺らせないよ!〚暴風壁ストームウォール〛!」


 暴風の壁が石槍を全て弾いていく、トラパーネも連続で石槍を撃ち込んでくるけど、暴風を貫く事が出来ずに諦めたみたい。


「はぁ、はぁ、あんたの魔力どんだけよ!」

「さぁ、そこそこ多い方だと思うよ(笑)」

『トラパーネを鑑定したから教えるね』


【名前】トラパーネ Lv98/200

【種族】魔族

【称号】罠女帝

【HP】850

【MP】850

【体力】700

【敏捷】550

【精神】250

〚空間魔法〛〚土魔法〛

〚高速再生〛〚大剣術〛


 魔族で空間魔法を持ってるのか、それで不規則な場所からの攻撃や、短剣を瞬間的に移動させたんだね。トラパーネのカラクリが判ったので、倒し方は圧倒的物量で押し切る事にした。

 理由は空間魔法は魔力の燃費が悪いと判断したからね。魔力が尽きた方が負けるなんてシンプルで良いよね(笑)


 さぁ、私達の反撃開始開始だよ!魔力が尽きるまでの激しい戦いを楽しもうじゃないの♪

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