第四章 スライムヴァンピール編

第1話 エルピス山脈を超えろ

 沈黙の森フォレスト オブ サイレンスから久し振りにエルピス山脈の麓へと到着したの。

 麓の状況を確認しながらアニエラと話しをする。


「アニー、なんか懐かしいね。ここから見た感じだと特に地形とかは変わってないよね?」

ドラゴンの咆哮も聞こえてこないね。ここは住処には成らなかったのかな?」

「まだ麓だからそこまでは判らないね。取り敢えず今日はこの辺りで休んで明日に備えよっか」

「OK!」


 この日は麓で簡単な土蔵を作って休む事にした。もしドラゴンが居たら、咆哮が聞こえるかも知れないからね。

 簡単な夕食と吸血を済ませたので、私達はそのまま寝る事にした。完全に安全な場所とは言えなかったので、並列思考セレブロが声出し厳禁にしちゃったから、アニエラの吸血は簡単に『パパッ』と済ませたの(笑)当然ながら並列思考セレブロが魔力を動かす事は無かったよ(笑)


 夜が更けてきても咆哮は全く聞こえないので、ドラゴンはエルピス山脈から去って行ったんだと思う。これなら安全に山越えが出来そうだよ♪


 翌朝、日の出と共に山脈を登って行った。

 中層辺りまで来たんだけど、ここまで道のりで魔物に遭遇してないんだよね。ドラゴンの影響で殆どの魔物は山脈を去ったのかも知れない。


「ここまで魔物に遭遇しないとはね(汗)」

「中層辺りまで魔物が居ないとさ、餌が無いから上層の魔物も居ない可能性もあるかもね」


 アニエラの言う通りで、完全にエルピス山脈の生態系が崩れしまって、この周辺の魔物は全て居なくなってる可能性があるね。間近で見た事は無いんだけど、ドラゴンってそこまでの存在なんだね……


「ハルカ、私達が出会った洞窟が近くにあるから、今日はあそこで休んでいく?」

「そうだね、ゆっくりと休みたいからそうしよう」


 アニエラと出会った洞窟へは直ぐに着いたので、私は夕食をアニエラは寝床の準備に取り掛かる。


 明日は未踏の上層へと進んで行く。本来ならかなり強い魔物が現れる筈なので注意しないとね。


➖➖➖小桃です➖➖➖


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