第56話 ロベルトの最期②

 アニエラの口がロベルトの首元に当たった瞬間、『ビクッ』と体を震わせた。


「あっ……」


 吐息のような声が漏れると、まだアニエラの口が触れただけなのに、ロベルト下半身は立派なテントが張ったようになっていた。


「おいおい、〚吸血〛もしてないのにおっ勃ってるじゃないか?どれだけ敏感なんだよ」

「魅了でたくさんの女と浮世を流したと聞いてたけど、それ程でもないのかな?」


 私とエリカの会話が聞こえたのか、ロベルトは必死に言い訳を始める。


「違う、これは元から大きいだけで勃ってなんかいない!女達は俺のイチモツを見ただけでメス犬になるんだ!」

「へぇ〜、そんなに立派なモノを持ってるんだ。どんなモノなのか楽しみだね。えいっ!」


『カチャカチャ、バサッ……』


 ロベルトが立派なモノを持つと言ったので、アニエラはベルトを外してズボンを下ろすと、熱り勃ったイチモツが露わになった。筋がたって所々がイボのような物が盛り上がっているけど、大きさに関してはこれまで見てきたモノと比べて、大きいと思えるモノではなかった。


「えっ、なに?こんなイボイボは初めてみたよ」


 アニエラは初めて見るイボに興味津々なようで、人差し指でイボに触れてみた。


「うっ……あっ!」


 指先が触れた瞬間、ロベルトのイチモツから白濁した液体が発射された。これには4人とも呆れ顔になってしまった……。


「「早すぎない?」」

「……、今日は調子が悪いんだ……」


 無詠唱魔法並みに高速発射する奴で楽しまずに、聞きたい情報を得ることにする。


「アニー遊ぶのは止めて、そろそろ情報の聞き出しをよろしくね」

「はいはい〜、お前がこれまで売った獣人のリストはどこにあるの?教えてたあとに殺してくださいってお願いもしてね?」

「そ、そんなことを言うはずないだろう!」


 アニエラがリストのことを聞くと、ロベルトは拒否をした。


「ふふっ、直ぐに言いたくなるよ。カプッ」

「あっ……あぁ!」


 アニエラの〚吸血〛と同時にロベルトは白濁した液体を連続発射した。この発射を見て、次の銃には連射機能を付けようと思ったの。


「さぁ、教えてよ。ホラッ」


 既に何度も発射したイチモツに手で触れると、さらに何度も何度も発射するロベルトは、変な声ばかり出して何も言わない。そんな状況の中、トラパーネが冷静な声でアニエラへ声をかけた。


「アニー、そのバカは感じ過ぎて喋れないのよ。手を離せば喋りだすと思うわ」

「そうなの?」


 トラパーネの助言を聞いて手を離すと、ロベルトは奇声をあけるのを止めて、私達が聞き取れる声で話し始めたのだった。





 


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る