第57話 ロベルトの最期③

 トラパーネの言った通りで、アニエラが手を離すと快感が治まり、聞き取れる声で話し始めた。


「はあっ、はぁ……、獣人の販売リストは金庫に保管してる……うっ、鍵はこれです。特別な顧客についてはリストではなく……おぁ、俺の頭で記憶してる……あっ」


 アニエラが手を離してからも、話しの途中で白濁した液体を発射するので、所々でキモい声をあげる。あまりにも無様な様子に眉を寄せながら話を聞いていた。


「ハルカ様、リストを確認して回収しました」


 トラパーネがロベルトから金庫の鍵を受け取って、保管されていたリストを回収した。あとはロベルトが記憶してる特別な顧客を聞き出すだけ。


「それで、特別な顧客って誰なの?」

「はひっ……、レアルコンプレト王国の王太子ラウール、第2王子マールス、第3王子セルヒオ、王弟クリステンの4名です……あっ、以上が獣人を購入した者達です。全てを教えてので……あぅ、殺してください。快感が止まらず気持ち良過ぎる……あっ、解放してください」


 ロベルトは全てを話したようなので、生きてる意味はなくなった。私はアニエラに頷いて、希望通りに快感から解放する。


「あははっ、全部教えて殺してくださいと言ったご褒美をあげるね」


 アニエラは右手を開いてから、ロベルトの睾丸を握り潰す為に触れたその瞬間、今までにない激しい反応をした。


「ひゃ、あっあぁああああ!」


 あれだけ出したのに、どこに残っていたのかと思うほどの大量の液体を、奇声をあげながら発射すると快感の限界を越えて、そのまま息絶えた。


「何だったの?敏感すぎるにも程があるよね?」


 快感から解放される前に、快感で死んでしまったことに、私が驚きながら3人に話しかけると、アニエラは白濁液まみれになった右手を『ブンブン』と振りながら答えた。


「もぅ〜、気持ち悪い液体がついて気持ち悪いよ〜!ハルカ洗って」

「はいはい、ちょっと待ってね」


 私は生活の魔法の洗浄クリーンで綺麗にしてあげてると、トラパーネが獣人の購入者のことで難しそうに話し始めた。


「リストには公爵、侯爵、辺境伯、伯爵の上位貴族だけでもかなりの数になります。下位貴族に富裕層までとなると……この国は腐ってますね」

「1番の問題は王族じゃないかい?王太子は次期国王なんだ。そんな奴が国のトップに立つなんてあたいは嫌だね」


 エリカはリストに名を連ねる者よりも、購入者に王族がいたことを不快に思ったようだ。特に次期国王となる王太子には強い嫌悪感を示した。そのことについては私も同意見なので、今後のことをしっかりと話し合う必要がある。


「そうだね。とりあえずこの場所に用はないから、ファミリアに戻って対策を話し合うよ」

「「OK!」」

「かしこまりました」


 私達は目的を達成したので、騒ぎが大きくなる前にファミリアへと戻ったのだった。

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