第14話 罠満載の迷路

 分岐点を右へ進むと直ぐに行き止まりで、折り返して次は左へ進むとまた行き止まり……


『ふふっ、ハルカは運が良い筈なのにこの結果はは驚くね(笑)』

「むむっ……」

並列思考セレブロダメだよ〜、気にしてる事を突っ込むとハルカに嫌われるよ(笑)」

「むむっ……」


 まさか、1/3の確率を連続で外すとは思ってもいなかった。並列思考セレブロとアニエラに冷やかされながらも、最後の真ん中の通路を進んで行くと……行き止まりだった。


「えっ……先へ進めないじゃない!」

「入口を間違ったって事なのかい?」


 分岐点の全てが行き止まりで先へ進めないので、引き返そうと思ったら『カチッ』とスイッチが入ったような音が聞こえたの。すると行き止まりだった目の前の壁が動き始める。


『ズッズズゥー』


「おぉー!通路が出てきたよ♪」

『通路を進むには、右→左→中の順番に通らないと進めないトラップだったのかな?』

「そのようだね。こんな面倒なトラップばかりなら、攻略には苦労しそうだね。と言いたいところだけど、あたい達にはハルカが居るから問題はないって事だね」

「ふっふ〜ん♪私に任せてくれたまえ♪」

「『お願いします』」


 気を取り直してエリカを先頭に迷路を進むと、『ガチン』再びスイッチが聞こえたの。特別な場所ではなく、普通の通路だったので何事なのかと思ったら、原因はエリカだった。


「今、足で何かを踏んじゃったよ……」


 そう言ってから踏んだ足を上げると、足元が消えて私達は暗闇へ落ちた。直ぐに飛行に切り替えたので下へは落ちなかった。ライトで下を確認すると針山の|罠トラップが仕掛けられていた……


「飛べなかったら串刺しだったね(汗)」

「あたい達は死なないけど、これは相当な苦痛だったろうね(汗)」

「この迷路は色々なトラップがあって楽しいね♪」


 アニエラだけは楽しんでいたけど、この迷路はかなりヤバイと思った。少ししか進んでないのに既にトラップは2つって……常に注意を払う必要があるから、精神的なタフさがないと心が折れるんだろうね。


 その後も通路の真ん中にトラップがあると思って壁際を歩けば、壁際にトラップがあって壁に挟まれそうになったり、飛行して移動してるとワイヤーに引っ掛かって、大量の矢が飛んできたりしたの。とにかく魔物との戦闘は殺人兎キラーラビット以降は全くないのに、トラップだけで『クタクタ』になってしまったの……


 何なのよ!この罠満載な迷路作った責任者は今直ぐ出てこいやー!

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