第15話 エリアマスター

 トラップ地獄に苦しんで『クタクタ』になったので、迷路を進むのを中断して休む事にした。私は〘無限収納〙から野営用のテントを出すと、アニエラとエリカがベッドに腰を下ろして一息ついた。


「ハルカ〜、干し肉でも良いからさ〜、直ぐに食べれる物を出して〜、直ぐに休みたいよ〜」

「あたいも『パッ』と食べて直ぐに寝たいからアニーと同じでいいよ」

「助かるよ~、直ぐに出すね」


 私は〘無限収納〙から温かいスープを取り出して手渡すと、『ズッズズゥー』と一気に飲み干しカップを私に戻すと、直ぐにベッドで横になっちゃったの。

 私もゆっくりとスープを飲み終えると、並列思考セレブロが見張りをしてくれると言ってくれたので、言葉に甘えさせてもらった。


『僕が周囲の警戒をするから、ハルカもゆっくりと寝ても大丈夫だよ』

『言葉に甘えるね。ありがとう♪』


 移動さえしなければトラップは発動しないみたいなので、朝までゆっくりと眠る事が出来たの。


 翌朝は目覚め『スッキリ』で起き上がると、アニエラから夕食がスープだけだったので、朝から『ガッツリ』食べたいと言われたので、ディナー並みの食事を用意して食べ始める。


「はぁ~、今日もトラップ地獄だね……」

「モグモグ……(うんうん)」

「でもさ、ダンジョンでエリアで分けられてるよね?ここはトラップエリアなら抜け出せば終わりだよね?」

「確かにそうだね!それなら早く抜け出さないといけないね!」

「クチャクチャ……(早く出たいね)」

「アニー、〚以心伝心〛じゃなくて、ちゃんと飲み込んでから話そうね?」

「ズッズズゥー……(無理)」

「アニーは放っといて、早く食事を済ませて出発だよ!こんなエリアを早く抜けないとね」

「はぁ~、満腹♪出発しよ〜」


 食事を済ませて〘無限収納〙へ野営セットを片付けると直ぐに迷路を進み始めたの。


 相変わらずのトラップ地獄で、天井から水が降ってきたり、下から風が吹き上がってスカートが捲れたり、冷風が顔に当たってまつ毛が『パキパキ』になったりと、わたし達のメンタルを削り続けたの。


 それでも半日ほど迷路を進んで行くと、迷路を塞ぐ大きな扉が現れたので、扉へと近ずくと音声ガイダンスが始まったの。


『ワーハッハッ!僕はエリアマスターだよ。ここまで辿り着くと素晴らしいね!この扉が最後のトラップだから説明しよう。扉には○△□☆●▲■★の8個のボタンがあるから、順番を間違わずにボタンを押してくれ!全て正解すれば扉が開くけど、順番を間違ったら即座にスタートに戻るから気をつけてね(笑)』


 この扉が最後のトラップみたいだけど、8個連続で間違わずに押せとかって……どんな確率なんだよ(怒)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る