第71話 久し振りのファミリア

 地下室を増設してから小部屋を作った後に、転移魔法陣を設置したけど、対になる転移魔法陣がないので、私の転移魔法でファミリアへと久しぶりに帰った。驚かせないように並列思考セレブロに連絡を頼んだ。


「続きは明日にして、今日はファミリアへ帰るよ」

「そうですね。ふふっ、今日は私が夜番なので最高の良いタイミングです。ふふっ……」


 出来る女のモードが解除されて、悦楽モードに入ったルカの表情は『ニヤニヤ』していた。私も普段は受けに回ってるけど、ルカが相手だと責めに回るので実は楽しみなんだけどね。


「そんないやらしい顔をしてないで、戻ったらファミリア商会の開業する話もあるんだからね?明日には改装業者も探すんだから、結構忙しいんだからね」


 私が緩んだ顔をしたルカに、戻ってからの事を伝えると『ハッ』と表情を引き締めてから返事をした。


「ファミリア商会の開業については、スラムから素質のある子を見つけて、一から育てるには時間がないので、従業員を雇う必要がありますね。改装については【建設ギルド】へ依頼するのが手っ取り早いと思います」

「その辺りは考えてたんだね。ありがとうね」


 流石は出来る女だ。ファミリア商会については、ルカに運営を任せるのが適任だね。屋敷の改装と従業員の雇入れは丸投げしちゃおう!


「よし、ファミリアへ戻るから私に捕まって!」

「はいよ」

「はい」

「OK!ファミリアへGO!!」

『パッ!』


 私達がファミリアの屋敷のサロンへ転移すると、既にアニエラ達が待っていて、私が転移した瞬間に抱き着いてきたので、そのまま倒れ込んでしまった。


「ハルカ、おかえり〜、いい匂い〜」

「わっ、アニー、ただいま」

「「おかえりなさい」」

「みんな、ただいま。無事にグローニャについて、ファミリア商会の設立と、向こうで活動する為の屋敷も購入したからね。目立たない程度に遊びに行こうね」


 グローニャへは転移魔法陣を使えば簡単に移動出来るので、気軽に遊びに行ける事を伝えると、アニエラが目を輝かせながら話し掛けてきた。


「それじゃあ、ダンジョンへ行こうよ!」

「おぉー、行っちゃおうか!」


 アニエラがダンジョンと言ったので、私も行こうと思って返事をすると、ルカに止められた。


「駄目です。明日は建設ギルドへ改装の依頼をしに行くので、ハルカさんが居ないと話が進みません。ファミリア商会を開業するまでに、従業員も雇わないといけません。その辺りが落ち着くまではダンジョンは認めませんからね」

「あっ、うん……そういう事だから、暫くダンジョンは封印ね」

「む〜、仕方ないね」


 私とアニエラがガッカリしてると、トラパーネが『パンパン』と手を叩いて、場の雰囲気を変える一言を言った。


「さぁ、ハルカ様が戻って来られたので、宴をする準備をしましたよ。久しぶりのファミリアを堪能してくださいね!」

「うん、パーネありがとう!明日からもする事は多いけど、今日は思い切り楽しもう〜」

「「おぉー!」」


 トラパーネ達が準備をしてくれた宴では、久しぶりにファミリア全員が揃って、心より楽しいと思える時間を過ごしたの。




 



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