　魔法銃の完成を確認してからは、港湾都市グローニャへ向かう準備を急いだ。国境を越えてレアルコンプレト王国へ入国するので、なにかと準備が必要みたいだけど、難しい事はエリカに丸投げして、私は荷馬車や売り込む調度品などを作っていた。

「よし、入国審査に必要な申請書類は揃えたよ。ハルカの方は頼んだ物は出来たのかい？」

　エリカの準備は終わったみたいで、私へ頼んでいた物が出来たのかを確認してきた。特別難しい物はなかったので、〘錬金術〙で全て作り上げていた。

「うん、全部出来てるよ」

「流石だね。物が揃えば出発できるから、これからグローニャへ向かう話し合いをしたいから、夜に眷属だけ集まってもらうよ」

「OK！並列思考（セレブロ）頼むね」

『任されたよ！』

　眷属への連絡は並列思考（セレブロ）に任せて、私はエリカと一緒に屋敷の外へ出て、〘無限収納〙から荷馬車を出して確認してもらった。

『ポンッ』

「どう？立派な荷馬車でしょ？」

「あたいの想像以上の出来具合だね」

「こんなに荷台って必要なの？荷物なんて〘無限収納〙にいくらでも収めれるのにさ」

　私としては、コンパクトで見映えの良い馬車を作りたかったから、無駄に大きい馬車を作る意味が判らなかった。

「あのねぇ……普通のマジックアイテムなんて物は、オーク1匹入る物でも珍しいんだよ！馬鹿みたいな容量のマジックアイテムなんて持ってたら、目を付けられるだろう？」

「なるほどね、せっかくだから調度品を荷台に乗せちゃう？」

「そうだね、乗せてといておくれ」

「OK！よっと」

『ポン、ポンッ』

　荷台に全ての調度品を乗せたので、馬車に馬を繋げはいつでも出発出来る状態になったので、屋敷へ戻って眷属との話し合いをする夜を待って、日が沈んで夕食を取ったあとは、グローニャへ向かう話し合いがエリカ主導で始まる。

「みんな集まったね。早速本題に入るよ」

　エリカが説明した内容はこんな感じだった。

　グローニャへは私、エリカ、ルカの3人で向かって、アニエラ、パイン、トラパーネはファミリアへ残る。

　なぜこの割り振りになったのか？

　それはファミリアの安全を考えると、守れる強さがある者が残る必要があったからだね。

　向かうメンバーの選出理由は、ファミリアのトップだから私は当然なのと、エリカは新しい取引先を探す責任者だから、最後のルカは冒険者協会で受付をしていたので、書類関係の手続きがある場合に必要だからだね。

　残る3人もエリカの説明に納得したので、私達は明日の朝から出発する事となった。

（港湾都市か、初めての大きな街へ行くけど、楽しい所だといいなぁ〜）

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