第38話 魔法銃の開発を始める

 みんなの相手をした事で『グッタリ』としてる私は、朝食を取らずに昼頃まで部屋で寝ていた。


「あぁ~、ハードな夜だったなぁ……」

『ははっ、ハルカでも疲れるんだね』


 私が独り言を呟くと並列思考セレブロが笑いながら話し掛けてきた。


「3人で朝まで楽しむ事はあったけど、6人では初めての事だったし、そのうちの4人は欲求不満で飢えていて、普段とは熱量が違っていたから凄かったからね」

『僕も常にハルカの魔力を動かしてたから、正確には7人になるのかな?』

「あっ、並列思考セレブロとの内外両方でハードに責められたから、普段より疲れたって事かも知れないね。ふぁ~、そろそろ起きて、パインと煌晶石を使って実験しないとね」


 少し疲れは残ってたけど、ベッドから起き上がって食堂へと向かう為に部屋を出ると、艶々な顔をしてるトラパーネが部屋の前で待っていた。


「ハルカ様、おはようございます、昨晩はお疲れ様でした」

「あははっ、私達の関係を知ってビックリしたでしょ?」

「あっ、ハルカ様はとても魅力的なんだと改めて思いました。不束者ですが末永くよろしくお願いします」

「う、うん、こちらこそよろしくね!」


 私の下へ嫁入りしたのかと思うセリフに、少し驚きながらも返事をした。トラパーネと一緒にパインの工房へと向うと、アニエラの双剣を手入れしてるようだったので、そのまま見学しながら煌晶石の話をする事にした。


「装備の手入れが終わったらさ、煌晶石からイディアル輝石を作ろうね」

「はい、私も色々と試してみたい事があるので楽しみなんですよ」


 パインも色々と考えていたみたいなので、私も作成可能か判らないけど、魔力を込めて圧縮させてから一気に放出させるという、銃みたいな物を思いついたので相談してみたの。これが作成出来れば魔力操作が苦手な人でも、魔法を撃てるようになるからね。


「まだ、簡単な理屈しか思いつかないんだけどさ、魔力を纏うんじゃなくて器に注いで圧縮させてから、一気に放出するような物を作りたいんだよね。」


 パインは私の言葉だけでは理解できないみたいなので、少しだけ作業を止めてもらって、雑だけど絵にして理屈を説明していった。説明が進んでいくと徐々に理解できたみたいで、パインの目が『キラキラ』してきたのが判った。


「こんな感じの物を作りたいんだよね」

「素晴らしい発想ですね!私もそんな夢のような物を作りたいです」

『これは作る事が出来れば魔法の概念が覆される事になるかもね』


 パインと並列思考セレブロも興奮気味に話すので、色々な素材を作る事と並行して、魔法銃の理論を練り上げて試作していく事が決まったの。

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