　4人は準眷属になって1週間が経過したけど、吸血鬼（ヴァンピール）の力に馴染むことに苦労していた。

　アニエラは生まれ時は半吸血鬼（ハーフヴァンパイア）だったので、変化に戸惑うことはなかった。エリカやトラパーネは強靭な肉体と精神力を兼ね備えていたので、種族の変化にも適応できたの。

　そんなことをパインの工房で、魔法銃の開発をしながらパインはどうだったのか？と聞いてみると、パインは図面を書く手を止めて、眷属になった当時のことを懐かしそうに話してくれた。

「実は私も眷属になった時は、種族変化に適応するのに苦労しましたよ。精神面は望んだことなので大丈夫でしたが、肉体の変化は鍛えてなかったので苦労しました。多分ですけどルカも同じことを言うと思いますよ」

「そうなんだ。私の場合は睡眠中に馴染ませるからさ、これからはそのことを踏まえて準眷属化するのが良いのかもね」

「これからは、私を含めて苦労を経験者が、そのことを伝えますから大丈夫ですよ」

「そっか、じゃあ、その時は任せるね」

　準眷属化の話をした後は、魔法銃の話をしてたけど、武器防具類の製造もこなしながらの作業は、かなり忙しそうに思えたので、そのことをパインに聞いてみた。

「魔法銃の開発と並行して、武器防具の製造とメンテナンスは大変だね。工房にも助手が必要なんじゃない？」

「そうですね。ただ、鍛冶師の世界は男尊女卑なので、私なんかの助手になりたい居ませんよ」

　トーレス町では女というだけで、良い物を作っても誰にも認められなかった。そのことへのトラウマを抱えているけど、パインと同じ境遇で鍛冶師を断念した人がいるかも知れない。

　ファミリア商会と診療所の人材を探すので、パインの助手も合わせて探すことにした。

「大丈夫だよ。リクルト商会やスラム街で人材を探せば見つかるよ。期待して待っててね」

「はい、ハルカさんがそう言うと見つかる気がするので、楽しみに待ってますね」

「じゃあ、これは私の新型魔法銃の素案だから、空いた時間に目を通してね」

「はい」

　私は工房を後にすると、グローニャへ移動して人材探しをすることにしたので、部屋へ戻って用意をしようと思った瞬間、隣にトラパーネが現れる。短い距離なら気配を辿って転移ができるようになったみたい。

「ハルカ様、ご同行します」

「並列思考（セレブロ）から聞いたの？」

「はい、アニーとエリカは用意を済ませて、転移部屋で待機してます」

「そう、着替えを済ませたら直ぐに向かうよ」

「かしこまりました」

　準備を済ませると、社会勉強を兼ねてメドサンを連れて5人で、人材を求めてグローニャへ移動したの。

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