第2話 雇うのは……

 渡された4人分の資料に目を通しながら、この4人と面接する事が可能なのかを、ルカはアネロに確認をする。


「アネロさんは別として、他の3人との面接は直ぐに行えるのですか?」

「はい、可能です。別室に控えて居るので、資料の確認を終えられたら、面接希望者を教えて頂ければ場を用意します。では、ごゆっくりご確認ください」


 アネロは返事をした後に部屋を出たので、机に4人の資料を広げて確認を始める。


『ハルカ、アネロを鑑定したから報告するね』


【名前】アネロ Lv5/100

【種族】エルフ

【HP】25【MP】40【体力】20

【敏捷】40【精神】10

〚弓術〛〚短剣術〛〚風魔法〛〚看破〛


 並列思考セレブロからアネロの鑑定結果を聞いて、エルフである事と優秀なスキルを持ってる事に驚いて、私は思わずその事を口に出してしまった。


「こんな所で従業員なんかしないで、冒険者としすて十分に活躍出来そうな才能だね」


 エリカは資料を見ながら冷静に応えて、資料に書かれてる事と違いがあるのを指摘した。


「確かにスキルは優秀ですね。ただ収入が不安定な冒険者ではなく、安定した生活を望む性格なのかも知れませんね。問題はエルフではなくヒューマンと書かれてる事ですね。嘘を申告してるのか本当に知らないか確認する必要がありますね」

「他の候補者も直接鑑定をして確認しないと、雇う判断が出来ないと思うので全員を面接しませんか?」


 トラパーネは実際に面接をして、資料に間違いないか鑑定する事を勧めてきた。確かに鑑定なんて並列思考セレブロに任せれば良いから、全員を面接してみる事にしたので、アネロへ声を掛けて全員を呼んでもらい、一列に並んで座ってもらってから順番に自己紹介をしてもらう。


「こんにちは、ファミリア商会のルカです。順番に自己紹介とセールスポイントを言ってもらえますか」


「アネロと申します。リクルト商会で従属契約課の主任を勤めているので、実務経験は豊富なので即戦力として働けます」

「テレサと申します。王立学園を卒業予定の子爵家3女で、読み書き計算は一通り出来ます」

「クラリスと申します。親の経営する小さな商店で、接客と在庫管理を任されていたので、直ぐに働けます」

「ロキシーと申します。行商をしてたので仕入れ等で他国へ取引をした経験が活きると思います」


 4人が自己紹介をしてるうちに、並列思考セレブロが4人を鑑定したので、鑑定内容を確認する。


『鑑定してみて面白い人は居たの?』

『甲乙つけがたいかな?こんな感じだよ』


【名前】テレサ Lv15/100

【種族】ヒューマン

【HP】85【MP】75【体力】60

【敏捷】50【精神】25

〚細剣術〛〚風魔法〛〚言語学〛


【名前】クラリス Lv1/100

【種族】ヒューマン

【HP】5【MP】5【体力】5

【敏捷】5【精神】5

〚記憶術〛〚重力魔法〛


【名前】ロキシー Lv10/100

【種族】ヒューマン

【HP】50【MP】90【体力】30

【敏捷】50【精神】50

〚騎馬術〛〚鞭術〛〚読心術〛


 確かに全員が魅力的なスキルを持っていた。

 並列思考セレブロの言う通りで甲乙つけがたい人材だったので、率直な感想を2人に伝える事にした。


『これって全員を雇っちゃえばよくない?』

『『そうですね』』


 せっかくなので全員を雇う事にしたの。


 


 


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