第54話 試作モデルの試し撃ち

 昨晩、私とエリカはファミリアのことなどについて話をして、私達の進む方向が決まったところで話を終えた。


 朝になりベッドで目覚めると隣には『スヤスヤ』と眠るエリカが居た。激しい夜を過ごしたので流石に疲れてるんだね。普段は強気なエリカだが寝顔は可愛いもので、私のイタズラ心が働いてしまって、エリカの両胸の先端を指で『ツンツン』と刺激してしまった。


『ビクッ、ビクッ』

「ハ、ハルカ……だっめぇ〜……」


 エリカはその言葉を残して絶頂を迎えてしまい、昼頃まで目覚める事はなかった。


(エリカごめんね、ちょっとしたイタズラのつもりだったのよ……)


 朝食の後にみんなに説明しようと思ったけど、エリカが目覚めている夕食の後にする事にした。


「ハルカさん、アレの試作モデルが出来たので、朝食の後は工房へ来てもらえますか?」

「おぉ〜、それは楽しみだね」


 朝食中にパインから魔法銃の試作モデルが完成したと教えてくれた。ファミリアの自衛に必要になる物なので早く完成させたいので、改良ポイントを伝えて試作を繰り返して欲しいね。


 私はパインの工房へ行くので、アニエラとトラパーネには麓のダンジョン7階層へ、食材集めと子供達の修行の手伝いをしてもらう事にした。


 すると、果樹園での作業がないヴェルジュと、私と医療術の勉強をする予定だったメドサンが、麓のダンジョンへ行きたいと手を上げた。


「果樹園は作業がないので、パーネさんと〚斧術〛の修行を兼ねてダンジョンへ行きたいです」

「ハルカ様が工房へ行くのなら、戦闘訓練の為にダンジョンへ行きたいです」


 残りは自分達の仕事をするので、今日の予定は決まったので、朝食の後はそれぞれの仕事場へと向かって行った。


 私はパインと一緒に工房へ行って、魔法銃の試作モデルを見せてもらった。


「こちらが試作モデルです。見た目は『ゴツゴツ』してますが、先ずは機能する形にしてみました」


 確かに形は『ゴツゴツ』していてグリップは握りにくい、それでも中指から小指までの3本の指は、イディアル輝石に触れる事が出来るので、そこから魔力を注ぐ事は可能だね。


「少し握りにくいけど魔力を注ぐ事が出来そうだね。このまま魔力を注いで、試し撃ちをしても問題はないのかな?」

「はい、試作モデルなので少しの魔力で試し撃ちをしてくださいね。撃った後に分解して損傷が無いかを確認したいので」

「OK!徐々に魔力量を増やして、強度のテストもするって事だね!」

「そうです。面倒かも知れませんがテストに協力してください」


 その後は、試し撃ちをしては分解をして、異常が無ければ魔力量を増やして、試し撃ちをする事を繰り返して1日が終わった。


「最後は亀裂が入っちゃいましたね……」

「魔力が100程度なら問題はないけど、それ以上だと強度不足だね。でも魔力倉に角があるでしょ?この門を丸くすると強度が上がるからさ、次は角の部分の丸くしてみて」

「角を丸くすると端に掛かる力を分散出来るんですか?」

「うん、次の試作モデルで結果で判るから作ってみてね」

「判りました。今日はお疲れ様でした」


 魔法銃の試し撃ちと強度テストが終わったので、私とパインは夕食を取る為に食堂へと向かった。


 


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