第28話 凶悪な水攻め

 堰造りは順調に進んで、数日中には必要な貯水量に届くと思う。更に私達の魔力操作とイメージの練習にもなったので一石二鳥だった。


 堰造り以外では私がトラビスに変化して、アニエラと近接戦闘の訓練を行ってる。私は変幻自在に変化出来るので、その特性を活かす為に色々な戦闘スタイルを学ぶ事にしたので、今はオーソドックスに剣と盾を使ってるの。


 堰き止めた水量が十分に貯まったので、前回と同じように深夜の寝静まった頃合いに作戦を実行する事にした。〚卑怯者〛の称号に恥じない仕事をしないとね(笑)


 深夜になり堰を壊す前に川沿いのゴブリン砦に異常が無いか確認するが、特に変わりもなく完全に寝静まっているので堰へ向かった。

 私はアニエラに抱いて飛行してもらいながら、堰の中央にある大きな石に触れて魔法で砂に変化させる。


「出来れば将軍級ジェネラル以外は全滅してくれると事を願って〚サンド〛!」


 私が魔法を唱えると大きな石は砂へと変化して、堰き止められていた大量の水が激流となり一気に川沿いのゴブリン砦に流れ込んだ。

 激流は砦内にある全ての物を飲み込み、本来外部からの攻撃を防ぐ為の外壁にぶつかり押し潰されて行った。


「わぁ〜、火攻めより水攻めの方が凶悪たね。気付けば溺れてて逃げ道がないや(笑)」


 アニエラが言った通りで、水攻めは逃げ道が無くて激流に飲まれたら溺れて死ぬか、壁にぶつかり押し潰さて死ぬかの2択で、生存するのは困難な状況だった…


「あれぇ〜、もしかして…将軍級ジェネラルまで死んでないよね?」

「アニー、何もしないまま終わるかもね…」


 余りにもの惨状に将軍級ジェネラルは死んだものと諦めてると、傷を負った1体のゴブリンが瓦礫から這い出て来た。偵察の時に確認していた将軍級ジェネラルと合致した。


「あっ、ハルカ生きてたよ!」

「私が弱らせるから、アニーが仕留めてね。」

「了解〜♪」


 怪我を負った将軍級ジェネラルでは私達の相手にならず、私が〚風刃ウインドカッター〛で両足を切断して動けなくしたので、アニエラが双剣で首を刎ねた事であっさり終わったの。


[ゴブリン将軍級ジェネラル]〚槍術〛〚体力+100〛


 アニエラが仕留める前に将軍級ジェネラルに触れておいたので、能力を奪えるので〚体力+100〛を選択した。


『ハルカ、〚体力+100〛を強奪したよ!』


 驚くほど簡単に砦を破壊と将軍級ジェネラルを倒す事が出来たのは予想外だったね。

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