第36話 ただいま~
部屋へ転移するとパインとルカは休憩中だったみたいで、サロンでお茶を飲んでいるところだったので、突然私達が現れた事に驚いた。
「ただいま〜」
「「えっ……ハルカさん!」」
2人には戻る事を伝えなかったので、驚くさまを見て私のサプライズ作戦は大成功だった。私は満面の笑みを浮かべて2人に話しかける。
「ふふっ、驚いたって……うわぁ~」
『ガバッ!』
話し終わる前にパインの強烈なタックルを喰らって、そのまま倒れ込んでしまった……
「ふがぁ〜、ふがぁ〜、ハルカさんの香りだ〜」
「パイン、くすぐったいよ」
「もう少し我慢してください。私はハルカさん欠乏症に陥ってたんです……ふがぁ〜、ふがぁ〜」
パインが私の匂いを堪能をして、やっと満足してくれたので離してくれた。『ふぅ~』これで落ち着けると思ったら、今度はルカが私の胸に飛び込んできた。
「はぁ~……ハルカさんの香りだ……」
「お風呂へ入ってないから変な匂いがするんじゃないの?」
「いいえ、私の大好きな芳しい香りがします」
「そ、そう?」
ルカもパイン同様に、私の匂いを堪能した後に離れてくれたの。これで落ち着いて話が出来るのかな?そう思ったら次は子供達がサロンへとなだれ込んできた。
「「ハルカ様〜」」
「みんな元気にしてたの?」
「「うん〜」」
「ダンジョンで
「「は〜い」」
「あっ、まだ紹介してなかったね。この子はトラパーネ、麓のダンジョンで仲間にしたから、仲良くしてあげてね」
「トラパーネと申します。ハルカ様へ永遠の忠誠を誓いました。皆様よろしくお願いします」
「「よろしくお願いします」」
その後はルカ達が食事の用意をしてくれる間に、私達は風呂で湯浴みをして身体の汚れを落としたの。
久しぶりにファミリアで全員が揃って食事を取っていると、私達が突然帰ってきた話になったので、トラパーネの空間魔法をコピーした事で、好きな場所へ転移出来る事を伝えた。
「ただ、私が居ないと自由に移動が出来ないからさ、空間魔法を使って転移魔法陣を作って、魔力を注げば誰でも移動出来るようにしたいの」
「「……!」」
「あれ?どうしたの?」
『ハルカが転移魔法陣なんて、夢のような話をするから驚いて固まったんだよ』
「そうなのね。でも可能だと思うんだよね。ダンジョンでは転移陣でエリア移動が出来るから、理論が判れば後は簡単だと思うよ?」
なんとなく私の頭の中では、転移魔法陣の理論が固まりつつあったのでその事を伝えると、トラパーネは胸に手を当てて、私の方を見つめながら話した。
「ハルカ様ならそんな夢のような事も、必ず実現されるのでしょうね」
「うん、楽しみにしててね!」
私が転移魔法陣を完成させるのには、それほど時間は掛からなかった。
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