第3話 記憶は人でも…

 私は人を殺したの。

 つまり[人殺し]になった訳だね…なんて考えていると〚並列思考〛から話し掛けられる。


『マスター、先程の戦闘で上位個体を倒した事により、スライムからスライムヴェノムへと進化しました。おめでとうございます。』

『えっ?スライムって進化するんだ?そのうちメタルスライムとかにもなれる?』

『否、スライムとメタルスライムはスライム族ですが、全く別の個体になります。』

『そうなのね…スライムってどんなのに進化出来るか、教えて貰ってもいい?』

『否、スライムの進化は、マスターが初めてで、私にも進化しないと判りません。』


 最弱にしてレベルアップが出来ない魔物だったからね…どんな進化をするのか楽しみに取っておくのも良いかもね♪


 想定外の進化を知って脱線したけど、私は人を殺したのに嫌悪感は全く無かったのよね…


『マスターは人の記憶を持って、異世界転生されスライムになりました。記憶は人でも基本的な感覚はスライムという魔物になるので、その感覚を感じないのかと思われます。』


 納得だね。

 私は既に人じゃないって事を忘れていた。持ってる記憶は前世の物であって、スライムという魔物になった時点で感性は魔物なんだね!


 そんな訳で、目の前に屍となった[ガイル]を、なんの躊躇いもなく美味しく頂いた。


 そして、夜が明けて私は〚変幻自在〛で[ガイル]に変化して南へ向かって歩いたの。この世界に転生してから2足歩行は初めてなので、敢えて久し振りの歩行で大地の感覚を噛み締めたんだよね。


➖➖➖ハルカのステータス➖➖➖

【名前】ハルカ Lv23

【種族】スライムヴェノム

【称号】幼虫の天敵

【称号】蟲殺し

【HP】47+10

【MP】47+10

【体力】67+10

【敏捷】47+10

【精神】160+10

〚並列思考〛〚無限収納〛

〚変幻自在〛〚能力強奪〛

〚突撃〛〚刺突〛

〚夜目〛〚音感知Lv5〛

〚毒針Lv3〛〚隠密Lv2〛

〚生活魔法〛

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