第2話 遥は仔犬を見捨てない

 私はいつも通り授業を終えた後のサークル[ファンタジー研究会]の会合の為にカフェへ向かっていたの。サークルメンバーは歳上ばかりだけど、ファンタジーを愛する同士とは年齢の壁を超えて仲良く出来ていたからね。


 カフェ向かう途中の国道を渡る為に信号待ちをしてる時


「わん、わん〜」


 1匹の仔犬が国道の中へ入っていくのが見えた


「危ない!」


 仔犬が車に轢かれそうになったのが見えて、私は咄嗟に飛び出し仔犬を掴んで歩道へ優しく投げた瞬間


『キィーー!ドンッ!』


 私はSUVに轢かれたのだった…

 全身至る所が痛いけど…仔犬が気になり歩道を見ると無事だった


「良かった…」


 その一言を言うと目の前が真っ暗になった…


『君はなぜ仔犬を救った?命を捨ててまで救う必要はあったのかね?』


 知らないおじさんの声が話し掛けてくる


『命…私は死んじゃったの?そっか…凄く痛かったもんね…でも救えるかも知れないと思ったから、私は少しでも可能性があるなら見捨てる事は出来ないよ…だから後悔はしてない』


『君の思いには感動するね。失った命を元に戻す事は出来ないが、新たな世界で命を授ける事が出来ると言われたら君はどうする?』


 えっ、この展開って異世界転生?


『そんな事が可能なのでしょうか?』


『私は[獣神 ケルヌノス]一応[神]と言われる者である。私の持つ権限内であれば可能だと言っておくね』


 仔犬を救い死んでしまったのは残念だけど、新たな世界で違う人生を歩むチャンスがあるなら挑戦しないときっと後悔するよね。


 私の心は決まった。転生しようってね

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