第27話 町巡り
私が一瞬で艶のある白壁で塀を作り上げる様子を見たヤリテールは驚愕していた。
「ハルカ様は、魔導師なのですか?」
「いいえ、魔法使いですよ?」
「今の土魔法は上級魔法ではないですか?」
「あの程度ならアニーも出来るよね?」
「うん、ただの壁だから簡単だね♪」
「そうですか……あっ、塀は確認しましたので問題ありません。別件なのですが、イーゴス商会から壁を作る仕事を依頼して受けて頂く事は可能でしょうか?」
ヤリテールが仕事の依頼の事を聞いてきたので、ルカさん経由でなら受ける事にした。
「冒険者協会で受付係をしてるルカさんを通して、指名依頼をするなら受けますよ」
「判りました。ルカ様に依頼します。では、私は商会へ戻ります」
「はい、ありがとうございました」
ヤリテールが帰っていったので、私達は家に入って夕食の準備をした。
料理が出来たので、キッチンで夕食を取りながら明日の事を話す。
「アニー、明日は討伐はしないで家のインテリアを買ったり、美味しい物を食べに行かない?」
「いいね~♪美味しいものってさ、やっぱりお肉だよね♪」
「ははっ、アニー好きな物でいいよ♪」
「ねぇハルカ、お風呂なんだけどさ、少し改造して声が漏れないようにしない?そうすればねっ、いっぱい楽しめるし♪」
アニエラの言いたい事は直ぐに理解できた(笑)私もお風呂でする事は嫌いじゃないので、『コクッ』と頷いたの。
「うん、私もそれでも良いと思うから改造しちゃおうね(笑)」
『音が漏れる原因は僕で調べるよ』
当然だけど
そして翌日は、討伐へ行かない事とヤリテールから指名依頼が来るかも知れない事を、ルカさんに伝えてから町へ買い物へ出掛けたの。
最初は家のインテリアが欲しいので、可愛らしいデザインの物が並んだインテリアショップに入ってみる。この店は錬金術士が営んでる店で、オーダーメイドのインテリアも作ってくれるみたい。私は照明スタンドを1つ選んでカウンターへ向かう。
「とても可愛いスタンドですね?あなたが作られてるんですか?」
「そうだよ。妻がデザインして俺が錬金術で作る共同作成だけどね(笑)」
「繊細な作りに感動しました。私、インテリアに興味があるので握手して貰えますか?」
「おぅ、こんな可愛い子に言われると嬉しいね。頑張りなよ!」
私は笑顔で店主さんと握手をして、〚錬金術〛のスキルをコピーした。今回の町巡りの本当の目的は役立つスキルをコピーする事なの。対象に触れるだけで済むので、こんな感じでどんどんスキルを増やすつもりなの。
『ハルカ、スキル〚錬金術〛をコピーしたよ。強奪しなくてもいいのかい?』
『私達の暮らす場所で使うからね。この町の人からはコピーにしておくよ』
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