第26話 専属受付

 今日も『サクッ』とオークを体討伐を討伐したから町へ戻り、そのまま冒険者協会へ足を運んで、討伐依頼の完了の手続きしてもう事にしたの。


 冒険者協会の建物に入って受付に向かうと、ルカさんが私達に手を振りながら呼んだの。


「ハルカさん、お帰りなさい♪」

「ルカさん、ただいま戻りました♪依頼完了の手続きをお願いします」

「かしこまりました。あのですね……」


 ルカさんが何か言おうしたけど、途中で言葉が止まってしまった。気になったので私から質問する事にした。


「なんでも言ってくださいね。ハンターの常識とか知らないので、変なところがあったら遠慮なく言って欲しいです」

「あの……ですね。私を専属受付にして欲しいんです!私は新人受付で専属ハンターさんがまだ居ないんです(汗)」


 何か注意されるのかと思ったから、予想外の内容に少し驚いた。ルカさんも私と同じ新人で、専属ハンターが居なくて困ってたのね。


「私もルカさんと新人なので一緒に頑張りましょう♪よろしくお願いします」

「あ、ありがとうございます♪オーク肉は魔法鞄マジックバッグですね。解体場へ案内しますこちらへどうぞ!」


 専属ハンターが決まると、とても嬉しそうな表情になった。解体場で討伐したオークの確認をした後は、受付に戻って完了手続きをする。手際もよく優秀な人材なのだとすぐに判った。


「オーク4体で金貨2枚で、オーク肉は解体中なので後日の採算になります。金貨はどうされますか?」

「受け取ります。それと、私の借家を協会から紹介してもらったんです。塀を作りたいので貸主さんを教えて欲しいのですが」

「はい、すぐに確認しますね」


 ルカさんが貸主さんを調べるために奥へ入っていた。ルカさんの黒い瞳と少し小さな鼻を見ると懐かしいと思う。今の私は髪も瞳もピンクだからね(笑)そんな事を考えているとルカさんが戻ってきた。


「お待たせしました。貸主さんは【イ―ゴス商会】で黄色通の水筋の近くです」

「ありがとうございます。これからは専属ハンターとして頑張りますね(笑)」

「よろしくお願いします(笑)」


 冒険者協会での手続きが終わって、私達は借家の貸主であるイーゴス商会を訪ねて、リフォームの許可をもらいに行くんだけど……

 相変わらず道が判りにくい(汗)


『ハルカ、僕が〚地図作成マッピング〛で町の地図を作っていくから、時間がある時に町の散歩しよう』

『そんなスキルがあったね。それなら寝静まった時に〚隠密ステルス〛を使って上空から町を眺めるだけじゃ無理なのかな?』

『判らないから試してみよう』

『ハルカ、あそこに商会があるよ!』


 私が並列思考セレブロと話してると、アニエラがイーゴス商会を見つけてくれた。


 イーゴス商会の建物は冒険者協会よりも大きく、入口は魔法扉で近付けば自動に開閉するものだった。魔法扉を通って建物の中へ入ると、すぐに商会員が近寄り挨拶をしてきた。


「ようこそイーゴス商会へ、どのようなご用件でしょうか」

「借家を借りてるハルカです。借家の周りに塀を作る事は可能なのかを聞きに参りました」

「不動産の事でしたら4階です。ご案内しますのでこちへ」


 商会員さんに案内されて4階の不動産部に到着。既に担当者が待っていて席へ案内される。


「ようこそハルカ様、アニエラ様、私はヤリテールと申します。借家に塀を作りたいとの事ですよね?」

「はい、2人で暮らしで安全のために塀が欲しいんです。塀は私が魔法で作るので許可をもらいたいんです」

「ハルカ様が魔法で塀を作るところを見せて頂けるなら問題はありませんよ」

「今からでも大丈夫ですか?」

「はい、直ぐに準備してきます」


 準備を整えたヤリテールと借家に移動して、ヤリテールは借家の書類を確認してから、塀を作れる場所を指定した。


「この範囲であれば塀を作る事が可能です」

「では、作ります〚石壁ストーンウォール〛!」


 私が魔法を唱えると、艶のある白い壁が現れ建物の周りを囲んだ。

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