第98話 吸血事情
デボラは何も言い返せずに黙り込んだままなので、今すぐ身の振り方を決める必要はないとだけ伝えておく。
「デボラ、チルはあんなことを言ってるけど、もう奴隷じゃないんだから自分の意志で決めるんだよ? 身の振り方が決まるまでは、ファミリアに滞在すればいいからね」
「……はい」
ずっと黙り込んでいたけど、なんとか声を振り絞って『はい』とだけ伝えた。期限を設けるつもりはないので、じっくりと考えてから答えを出せばいい。
「チルは医療、ピコリは鍛冶の現場で手伝いをして欲しいから、すぐに案内するかよろしくね」
「「かしこまりました」」
こちらの2人は奴隷から解放した時点から、私に忠誠を誓っていたので、ヤル気が漲っているようだ。パインとメドサンに紹介してもすぐに馴染んでくれるだろう。
後は、ファミリへ着くのを待つだけだと思っていると、
『ハルカ、忘れているかも知れないから伝えておくけど、デボラは
『あはっ、完全に忘れてた。ありがとう』
『ふふっ、フォローするのが僕の役目だからね』
あっ、完全に忘れていた。アニエラも
「デボラ、普段の吸血はどうしてたの。期間が空くと〚救血〛の衝動が出るんだよね?」
「奴隷になってからは、保管された血を与えられてたから〚救血〛の衝動は出てません。里で暮らしていた時は、家畜として飼っていたヒューマンから吸血してました」
「そっか、教えてくれてありがとう。里にいた頃の吸血は毎日だったの?」
「いいえ、3日に1回です」
「劣等種は不便ですね。我々は日光を恐れることもなく、吸血も不要ですからね」
「確かに不便だけどさ、そのことで劣等種と言うのはダメだからね。私はヒューマンの貴族達のように、誰かを見下すつもりはないんだからね」
「申し訳ありません」
「うん、気をつけてね」
トラパーネが
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実はスライムって最強なんだよ?初期ステータスが低すぎてレベルアップが出来ないだけ… 小桃 @tama19720728
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