第22話 それが私の生きる道

 ゆっくり、ゆっくりと[地竜アースドレイク]に近付いていく。私は気付かれずに近づく事に集中して、〚並列思考セレブロ〛は〚音感知サウンドサーチ〛で寝息を確認するという共同作業だからこそ、[地竜アースドレイク]に触れに行く事が可能なの。

 何とか尻尾に触れる事が出来る場所へ辿り着いたの。雑草に変化しておいて、触れて起こしても私だと気付かれ無い対策を取った。

 そして、[地竜アースドレイク]の尻尾へ細心の注意を払いながら触れたの。


地竜アースドレイク]〚激震〛〚地竜砲ドラゴバスター〛〚高速再生〛〚咆哮〛


 どれも良さそうなスキルばかりだけど、私は〚高速再生〛を選択する事にする。優先するのは死なない事なので、傷を追っても再生するスキルは絶対に欲しいからね。


『ハルカ、〚高速再生〛を強奪したよ。』


 これからも奪えるスキルは命を守る物を優先していくの。

 それが私の生きる道だから。本当なら〚毒針スティンガー〛を試したいけど、刺さりそうも無いので諦めてその場を離れたの。

 安全な場所まで移動して『ホッ』と一息ついたの。


『ねぇ、わたし頑張ったよね?』

『えぇ、ハルカはよく頑張ったよ』

『だから、ご褒美を頂戴ね』

『お安い御用。ただ、余り大きな声を漏らすのは危険だから気を付けるんだよ?』

『うん、無理かも知れないけど、出来るだけ我慢するね』

『じゃあ、ハルカいくよ』


 〚並列思考セレブロ〛はそう言って優しく魔力を動かし始めたの。私はセレブロの愛を感じて反応する。


「はぅ、本当は凄く怖かったのっ……」

『判るよ。本当によく頑張ったね!ここの魔力を動かすとどうなるのかな?』

「んっ……」


 私は〚並列思考セレブロ〛に愛されて、何度も意識を失ったの。周りのゴブリンは殲滅されてるので、熱り勃った輩は訪れる事は無かったので、悦楽を思い切り堪能したのだった。


➖➖➖➖新たなスキル➖➖➖➖

〚高速再生〛傷を負っても高速で再生する能力で、回復速度は1秒で体の1%を再生する事が出来る。スライムであるハルカは、魔核を完全に破壊されない限りほぼ不死身となった。

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