第43話 万能感知

 パインと金属について色々と話した後は、みんなが食事室に集まった。私がトーレス町へ行ってきた話を楽しみながら夕食を食べたの。


 子供達が戻っていった後は、インビエルノ王国から調査団が来て、ロックの失踪について調査が始まった事を伝えた。フェルナンド伯爵邸に調査団が滞在してるので、調査状況を確認する事は出来なかったので、一応はファミリア集落でも対応が必要なのかを話した。


「今のところは、ファミリア集落の事は知られていないと思うけど、調査の範囲がどこまで広がるか次第では、麓まで来る事もあるのかな?」

「ロックの仕事は地方地域の視察には未開地域は含まれてない筈だから、行動範囲外は調べないと思うけどね」

「来ないとは絶対に言えないなら、調査団が帰るまでは警戒をするって事でいいかな?」

「「OK!」」


 私が調査団への感想を言った後に、エリカがロックの地方視察には、未開地域は含まれてないから麓まで来ないだろうと言ったけど、そこは油断せず警戒は怠らない事にしたの。


 後は、私達が居れば大丈夫だと思うけど、不測の事態が起こるかも知れないから、子供達にも軽く自衛が出来るようになってもらう為に、戦闘の訓練をして鍛える事にしたので、明日の朝食の時にその事を伝える。


 最後に、調査団がファミリア集落に近づいて来る事を、知る為の感知方法についてだね。

 私と並列思考セレブロは広域を感知できるから私達の役目になるの。感知には種類がたくさんあるので使い分けが難しいんだよね。


気配感知センスサーチ温度感知サーモサーチで大丈夫かな?」

「いけるとしてだけど、24時間ずっと感知し続けられるのかい?ハルカが睡眠すれば片方の感知しか使えないんだよ」


 私が使用頻度の高い2つの感知で警戒すれば問題ないと確認すると、エリカが私の睡眠中は片方しか感知出来ないと指摘した。


「あっ、確かにそうだね。相手が私の起きてる時間に来るとは限らないか……」

『可能性が低くいのなら、ハルカの睡眠中は気配感知センスサーチだけでも良くない?』


 ずっとダブル感知を続けられない事を悩んでると、可能性が低いなら片方でも問題ないないだろうと言って来たけど、アニエラが軽い感じで最高の答えを言ってくれた。


「武術系の時みたいに統合しちゃえば?」

「『それだ!アニー天才!』」

 

 アニエラの思い付きの一言で、感知系のスキルを統合していく事にした。武術系のスキル統合で経験して理論は判ってるので、後の作業は簡単なもので『サクサクッ』とスキルを統合していくと、新スキル〚万能感知〛が完成した。


「よし、感知系スキルの統合が終わって、新スキル〚万能感知〛が出来たよ。これで全ての感知を同時に出来るから、睡眠が必要ない並列思考セレブロなら常に感知できるね!」

「ハルカ様は神ですか?こんなに簡単に新スキルを作るなんて、神に違いありませんね」

「パーネさんや?私はスライムだし、毎晩何をしてるか知ってるよね?あんな無節操な神はいないからね!」


 トラパーネが目を輝かせながら崇めてくる。

 こんなに戒律を重んじない神は居ないと思うので、完全否定をしておいた。


 とにかく、ファミリア周辺の警戒問題は片付いたので、周辺の警戒は並列思考セレブロに任せる事にした。

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