第5話 スライムヴァンピール

 祠から出てきた私と見えた瞬間、アニエラの表情が『パッ』と明るくなり私を抱き上げた。


「おかえり、心配してたんだよ〜」

「この通り何も無かったとは言えないけど、危険な事は全く無かったよ♪」


 私の返事に不思議な顔をするアニーは直ぐに質問をしたの。


「危険は無かったけど?何かあった?どういう事なの?」

「祠の中に棺があってね。その中に瀕死な人が納められてたからさ、死んじゃうなら吸収しちゃえって事で吸収したの。そしたら吸収したのは人じゃなくて吸血鬼ヴァンパイアだったの(笑)」

「えっ……戦わずに吸血鬼ヴァンパイアを吸収して能力も奪えたの?」


 この世界でも上位種と呼ばれる吸血鬼ヴァンパイアを苦労せずに吸収した私の運の良さにアニエラは驚いていた(笑)


「それがね、更に驚く事にその吸血鬼ヴァンパイアは全ての吸血鬼ヴァンパイアの起源に始祖の吸血鬼ヴァンパイアだったからさ、〚吸血神〛なんて能力を持ってたから奪っちゃったよ♪」

「それじゃあハルカは吸血鬼ヴァンパイアになったって事になるの?」

「これから進化をするんだけどさ、睡眠が必要だから寝床を見つける必要があるんだよね。寝てる間は無防備だから安全な場所を見つけなきゃいけないしね」

「寝てる間は私が守るから大丈夫だよ!早く進化したハルカを見たいから、寝床に良い場所を探そう〜」


 その後は適当に良い崖を見つたので、土魔法で簡単な寝床になる空間を作ったので進化に備えて寝る事にした。


「アニー、寝てる間はよろしく頼むね!」

「私以外の者に絶対に触れさせないから安心して良いよ」


 進化中の安全はアニーに任せて眠りにつくと、前回の進化と同じように私の頭に色々な情報が流れくる。


・ウィザードからヴァンピールへの進化。

・新たな吸血鬼ヴァンパイアの一族として【ヴァンピール族】が派生する。

・並列思考の能力が上昇して、スキルリンクとスキル統合を行う事ができる。

・基礎ステータスが大幅に向上する。

・太陽光を克服する。


 こんな感じでかなりアップデートしたね♪


 そして進化が全て終わったようで、私はゆっくりと目醒めたの。


「『ハルカ進化おめでとう♪』」

「ありがとう♪」


 目覚めると同時に私の姿が人型へと変わり、その容姿は前世の私が幼くなったものだった。


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スライムヴァンピール

※ハルカが始祖の吸血鬼ヴァンパイアを吸収して〚吸血神〛の能力を奪い進化した事で、新たに誕生した吸血鬼ヴァンピールの力を持つ唯一無二のスライム。


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