第4話 吸血鬼の始祖

 祠の中は薄暗くかなり視界が悪かった。足下に気をつけて進むと小部屋があって、真ん中に棺が納められていた。


『不気味な感じの棺だね……』

『そうだね、棺から気配は感じないから、中身は遺体だと思うけど調べてみる?』

『一応は調べるよ。』


 そう言ってから棺に近付いて、ゆっくりと手を伸ばして棺を開けてみた。


『ギギィ……』


 中には人が納められていた。聖衣に見を包まれていて、ロザリオで括られた手は胸元に置かれていた。かなり高位の聖職者が納められていたのかな?


『ハルカ!僅かだけど生命を感じる。信じられないけど、生きたまま納められたみたいだ』


 並列思考セレブロが、棺に納められた遺体がまだ生きてると教えてくれた。


『死んだと思って納められたのかな?放っておいたら死んじゃうんなら、このまま吸収しちゃおうか?』

『そうだね、今ならハルカの糧に出来るね。奪える能力があるかも知れないから吸収しよう』


 意見が合ったので、私は棺ごと丸呑みにする事にしたので、棺に納められてる人に声を掛けておいた。


「どなたかは知りませんが、このまま腐らすのは勿体ないので食べさせて頂きますね。」


 私は体を大きくして棺を包み込む。聖衣やロザリオは使えそうなので、本体から吸収し始めると突然目を開けたの。金色の瞳をしてるので人では無かったみたいだけど、今更なので気にせずに吸収を続けると、一片の肉片も残さずに吸収したの。


[ルヴァール.ドラクロワ 始祖の吸血鬼]

〚吸血神〛〚魅了〛〚絶対防御〛


『これって……吸血鬼ヴァンパイアって事だよね?』

『あぁ、しかも全ての吸血鬼ヴァンパイアの起源となる始祖の吸血鬼ヴァンパイアだったね。』

『とんでもない大物を吸収しちゃった(笑)奪う能力はどれが良いかな?』

『〚吸血神〛だね。この力の中に〚眷属化〛〚超速再生〛〚天歩〛〚闇魔法〛が含まれてるからね』


 並列思考セレブロの言う通りに〚吸血神〛を選択した。


『ハルカ、〚吸血神〛を強奪したよ。〚吸血神〛を得た事で【スライムウィザー】から【スライムヴァンピール】へ進化が可能になったけど、睡眠が必要だからアニー元へ戻ろう』

『OK!進化が楽しみだね♪』


 強奪を終えた後、祠の外で待ってるアニエラの元へ向かった。


 たまたま祠を見つけたら、吸血鬼ヴァンパイアの始祖が眠る棺を発見。戦わずに吸収するという幸運な展開になったの。


➖➖➖新たなスキル➖➖➖

〚吸血神〛始祖の吸血鬼ヴァンパイアの特殊能力で、〚眷属化〛〚超速再生〛〚天歩〛〚闇魔法〛が使えるようになる。


〚眷属化〛血の契を交わす事で眷属とする事が出来る力。

〚天歩〛自由自在に動ける力。

〚闇魔法〛闇属性の魔法が使えるようになる。レベル側上がれば魔力に比例して威力が上がっていく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る