第27話 ドワイトの能力

 残るは金骨と黒骨のみとなり楽勝ムードが漂っていたの。


「ほぅ、スカルを瞬殺とはなかなかやるな。ここからは我も戦いに加わってやるぞ!デスナイト行け!メイジは魔法で支援して相手の動きを止めるのだ!」

「させないよ!ブレード射出!」


 デスメイジが魔法でその場に釘付けにしようとするので、魔法が発動する前にブレードで倒しにいく。


『シュシュンッ!』

「それは確認済みなのだよ!〚時間停止ストップ〛!」


 ドワイトが〚時間停止ストップ〛と唱えると、ブレードがデスメイジの手前で止まった。ドワイトは大槍でブレードを叩き落とすと、詠唱が終わって魔法が発動する。

 放たれた魔法が私達の足元へ飛んで来て、初動が遅れたところへ、デスナイトの攻撃を受ける事になった。


『シュバッ』『シュッ、シュッ』

「わわっと!」


 意表を突かれたけどなんとか応戦してると、再びデスメイジが魔法詠唱を開始する。ドワイトの能力に一時的な動きを止める力があるので、私はトラパーネに指示を出す。


『パーネ、私がブレードをドワイトへ射出するから、半分を〚空間魔法〛でデスメイジへ振り分けて欲しいの』

『かしこまりました。流石はハルカ様、2点同時には止められないという事ですね!』

『うん、行くよ!』


 トラパーネに指示を出した後は、デスナイトの攻撃を捌きながら、わざとドワイトを狙うと言ってからブレードを射出する。


「頭を潰せば雑魚はどうにでもなる!ブレード射出!」

「我にはそんな物は届かぬよ!〚時間停止ストップ〛」


 予想通りにブレードはドワイトの前で止まって、全てを槍を叩き落されたけど、トラパーネが〚空間魔法〛で転移させたブレードが、デスメイジを直撃して魔法は発動される事はなかった。


『パラパラ……』

「トラパーネ!貴様の仕業か!」

「ひひっ!ハルカ様の方が策士だったね(笑)」

「卑怯者め!仲間の協力を得なければ、正々堂々と戦う事が出来ぬのか!!」


 ガイコツなので無表情なんだけど、言葉だけを聞いてるとかなり怒ってるっぽい。数的優位だったのにそれを活かせないなんて、このドワイトって本当に大将軍だったのかな?正々堂々とか言ってるみたいなので、受けて立つ事にした。


「それじゃあ、正々堂々と1対1で戦ってあげるから勝負を始めよう」

「当然である!小娘風情が我の強さにひれ伏すがよい!」


 あ~、これはウザいな……『イラッ』とするので、ドワイトの能力を奪って粉々にしてやろう!


 私は〚翼刃ウイングブレード〛を広げてブレードに魔力を纏わせてから、ドワイトへ攻撃を仕掛ける。


「奥の手が無いならお前の負けだよ!ブレード射出!」

「我には効かぬと言ったであろう!〚時間停止ストップ〛!」


『シュン、シュン!』『ピタッ』

「はははっ、叩き落としてやるわ!」


『ズバババッ!』

「ぐぅぉおおおおおおお〜……なぜ止まらぬ……ぐっ……トラパーネか?」

「えっ、何もしてないし(笑)」

「私も〚空間魔法〛を使えるんだよね〜(笑)」

「使える事を伏せる為にトラパーネに〚空間魔法〛を使わせたのか……ディ、ディアドラ様ぁ〜」


 ドワイトは最後にディアドラの名前を叫んだ後に『パラパラ』と消滅していった。

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