第76話 さらなる進化

 私は竜玉を吸収することにしたので、〚無限収納〛から竜玉を取り出して、そのまま両手で包み込むんで吸収していく。


『スゥーッ』


 少しずつ吸収していくと、膨大なエネルギーが流れ込んでくるのを感じていた。そして両方の掌が合わさったところで、竜玉の吸収を終えたの。


『ドク、ドクンッ』


 激しい鼓動とともに身体中に『ビリビリ』と電気のようなものが走って、変化の兆しが現れ進化するんだと理解した。


「細胞の1つ1つが変化を始めてる。スライム吸血鬼ヴァンピールから進化をするみたい。パーネ、私を部屋まで運んでくれる?」

「かしこまりました」


 私はそう言ってからスライムの形状に戻ると、トラパーネの両手で大事に抱えられながら、私の部屋へと運んでもらって進化に備えた。


§並列思考セレブロ視点§


 ハルカが眠りに就くと、本格的に進化が始まりだした。


竜装ドラゴノイド】全身が竜鱗の鎧に包まれ、竜種と同じ防御力を得る。


【覇気】一時的に全ての能力を倍加させる。使用すると使用時間の100倍のクールタイムが必要。


 新たなスキルは2つと少なく感じるけど、〚超速再生〛や〚状態異常無効〛などは既に所有してるので決して少ない訳ではない。


 そして気になる進化後の新しい種族名は【粘性吸血竜神スライムヴァンドラゴン】となり、ステータスも大幅に上昇した。


【HP】2,850→6,800

【MP】3,880→10,550

【体力】2,450→15,000

【敏捷】2,560→5,900

【精神】4,500→12,000


 全てのステータスが倍以上になった。


 今回の進化により、ハルカはこの世界の生態系の頂に並んだのかも知れない。竜種の上の種族である龍種とも、互角に戦えるのではないかと思えてしまう。


(本当にスライムが最強に至るなんて、出会った頃は想像もできなかったよ……)


 そろそろ目覚める頃なので、ハルカの進化内容を聞いて驚くみんなの表情が楽しみで仕方ない。


§メインストーリー§


 私がベッドの上で目覚めると、5人の眷属が進化の終わりを見守ってくれていた。


「おはよう。どれくらい寝てた?」

「おはようございます。3日ほど眠っておられました。進化おめでとうございます」


 進化にかかった時間を聞くと、トラパーネが答えてくれた。あのエネルギー量を考えると妥当なのかな?3日間も顔を見せてないので、ファミリアのみんなが心配してると思い、みんなを集めて進化の報告をすることにした。


「そっか、みんなも心配してるだろうから、集まってもらって進化の説明をしようかな」

「それがよろしいですね。直ぐに全員を集めますので、着替えなどのご用をお願いします」


 トラパーネは直ぐに答えて、ファミリアの住民を集めに動いてくれたので、私は報告へ向かう準備をしたのだった。



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