第23話 ベスさんからの警告

 私達の家にベスさんを招いて夕食をもてなす事になったの。


 家に入って私はアニエラと夕食の準備をするので、その間はベスさんには食卓で待ってもらう。


「簡単な料理になりますが、『パパッ』と作るのでちょっと待ってくださいね」

「その若さで自炊をするなんて感心だね。楽しみに待たせてもらうよ」


 まぁ、実際は簡単な料理しか作れないんだけどね(笑)〚無限収納〛から調理道具と調味料を取り出してキッチンに置いて、料理を作り始める。


「アニーは野菜スープを温めてくれる?私はサイコロステーキを作るね」

「わぁっ、私はサイコロ大好き♪」


 私はオーク肉を一口大に切ってからフライパンで炒め始める。焦げ目がついたら返して六面に焦げ目がつけば完成。サイコロステーキを皿に盛り付けてから、フライパンに残った肉汁を野菜スープに入れてから、アニエラに軽く混ぜてもらってスープも完成したので、食卓へ皿とカップを持っていって夕食を食べ始める。


「お待たせしました。本当に簡単な物で口に合うと良いんだけど」

「いやぁ~、美味しそうな香りで、さっきからお腹がなってるよ(笑)」

「ハルカ、早く!お肉!お肉!」

「(笑)じゃあ、食べましょう♪」


 ベスさんはサイコロステーキを頷きながら食べると直ぐに感想を言った。


「これは、塩と胡椒でこんなに美味しくなるだね。私にはソースよりこっちが口に合うよ」

「口に合って良かった♪」

「ハルカは料理上手だからね!毎日美味しいご飯が食べれるんだよ〜♪」

「それは良いね。でも、嬢ちゃん達にはが必要なんだろ?」


 ベスさんの口からの言葉が出た事で、私は警戒体勢を取りながら話し掛ける。


「それはどう言う意味ですか?」

「私には〚鑑定眼〛があるから判ってるよ。2人は吸血鬼ヴァンパイアなんだろう?」


 私は油断していた……〚鑑定眼〛があれば吸血鬼ヴァンピールの事を見抜かれる事を……

 判ってるなら隠す必要も無いし、敵意も感じないのでこのまま話しをする事にした。


「正確には吸血鬼ヴァンピール族で、私とアニーは太陽光を恐れない種族です」

「太陽光を……そんな事ら聞いた事がないね」

「私が吸血鬼ヴァンピール族の始祖ですからね。私とアニーの2人だけですから」

「なぜ、この町へ来たんだい?」

「目的は無いですよ。私とアニーがおだやかに暮らす場所を探してるだけなので」

「いずれはこの町を去るという事かい?」

「存在が知られてので、この町を出る事を考えているところです」

「私としては町の住人を殺されるのは困るんだよ。嬢ちゃん達には血が必要なんだろう?」

「必要ですが、ベスさんが思ってる量は必要ありませんし、魔物の血でも問題ないので住民を襲うつもりはありません」

「そうかい……住民を襲わないなら、私は憲兵に報告はしないよ。1つ警告しておくよ。偽装が使えないなら大きな都市へ行くのはやめるんだね。審査で鑑定される場合があるからね」

「はい、警告ありがとうございます♪」


 ベスさんは町の住人を襲わない事を条件に、町に滞在する事を認めてくれたの。

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