第16話 混沌の山脈

 ドラゴンが現れた事で、アニエラを連れて下層へと移動して拠点を作った。


 場所は岩場で、アニエラが通れる程度の隙間を土魔法で作り、オーガやオークの侵入が出来ないようにしたの。その奥には2人なら十分なスペースを確保して出来上がり♪


「ハルカの魔法は本当に凄いね!私にはそんなイメージが湧かないもん(笑)」

「私のしてる事を見続ければ、アニーもそのうちイメージの感覚が判るよ♪」

「拠点は出来たけど、これから魔物討伐に行くの?」

「食糧はたくさんあるからね、今日はイメージの練習しちゃおうか?」

「うん♪」


 拠点を確保出来たので、アニエラの魔法イメージの練習をする事にした。周りが岩場なので土魔法を練習する素材には困らないので、夜になるまで2人で練習を続けると、突然地響きが起こったの。


「ハルカ!」


 驚いたアニエラが私に近寄る。私は守るようにスライムの体でアニエラを包み込んだ。地響きはその後も続いて30分程度で収まったの。


「もう大丈夫かな?何があったんだろう?」

『恐らくだけど、ドラゴンが餌を求めて山脈を飛び回ってたんだと思う。飛竜フライドレイク辺りを捕食したんじゃないかな?』

「そっか…ドラゴンって動くだけでもこれだけの地響きがするんだね(汗)」


 ドラゴンがエルピス山脈に現れた、それだけでこれ程の影響がでるなんて…最強へ少しは近付いたと思ったけど、頂点にはこんな化け物が居るんだね、認識が甘かったかな?


 そして翌日、拠点から外に出ると愕然した。昨日までの景色が一変して、青々としてた木々は焼き払われてしまって、とても生活が出来るとは思えない状況になってたの…


「これって…ドラゴンの仕業なの?」


 ポツリとアニエラが呟いた。


「そうみたい…下層でもこんな状態だと、上の方はもっと混沌としてそうだね(汗)」

『ハルカ、沈黙の森フォレスト オブ サイレンスへ戻ろう。ここは危険過ぎるよ…』

「アニー、山脈から沈黙の森フォレスト オブ サイレンスへ向かうね。」

「うん、ここは危な過ぎるよね…」


 こうして混沌化したエルピス山脈を去って、沈黙の森フォレスト オブ サイレンスへと向かう事になったの…

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