第94話 悪夢の始まり
※注意書き※
今回、少し暴力表現があります。苦手な方は
ご注意下さいm(_ _)m💦💦
これまでのお話を読んで頂いていて、それでもまだ芽衣子ちゃんが心配で読み進めるのが怖い読者の方がいらっしゃったら、ネタバレになりますが、タグを見て下さいね?
色々ご心労おかけしますが、よろしくお願いしますm(__)m
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車は10分程走り、住宅街から離れ、周りに何もない寂れたところで、古びたアパートがポツンと一件だけ建っている場所に停まった。
目の前には1階平屋で横に4部屋程並んだアパートが見える。
「ここは…?」
警戒心を漲らせながら、先に車から降りたトラ男に問いかけると、嫌なニヤニヤ笑いを浮かべながら説明した。
「元々は、建壊す予定のアパートだったんだが、親父に頼み込んで、そのままにしてもらって、俺が譲り受けたんだ。
見ての通り、周り何もないところなんでな。
ダチの溜り場にしたり、気に入らない奴リンチしたり何かと都合がいいのよ。
さっ。楽しいショーの始まりだぜ〜?
おいで〜、仔猫ちゃん。」
!!
トラ男に腕を捕まれ、無理矢理車から引き降ろされた私は大声で叫んだ。
「い、嫌っ!離して下さい!!だ、誰か、誰か、助けてーーっっ!!」
「ハハッ。バカだな。
周りに何もない
ここで、助けを求めて叫んでもムダだぜ?
今一番会いたい奴に会わせてやるから、騒ぐなって。」
「…!!ま、まさか、京先輩まで!!」
私は京ちゃんの姿を思い浮かべ、青褪めた。
「オラ、早く、こっち来いや。」
「あっ…!」
私は腕を強く掴まれたまま、引きずられるように、アパートの一室に向かい、
魁虎の仲間の男達と、真柚さんが、その後を続いた。
京ちゃん、京ちゃん…!!
私はただ、京ちゃんが無事でいてくれることだけを祈り続けていた。
*
*
「芽衣子ちゃん…!!き、君まで連れて来られたのか?」
アパートの部屋の中には、腕を後ろ手に縛られた京ちゃんが、連れられて来た私を見て、
絶望の表情を浮かべた。そして、その側には、見張り役らしい嵐山魁虎の仲間らしい男が二人程、部屋の奥に控えていた。
「京先輩…!!だ、大丈夫ですか?奴らに殴られたりしてませんか?」
「あ、ああ…。俺は大丈夫だ。」
どうやら暴行を加えられたりはしていないようだが、嵐山魁虎への怒りがふつふつと込みてきた。
「よくも、京先輩に…!!」
目を釣り上げて、睨み付けると、トラ男はさも愉快そうに歪んだ笑いを浮かべた。
「そう、怒るなよ〜。可愛い顔が台無しだせぇ?心配しなくても、京太郎には何もしないぜ?お前がちゃんと俺の言う事を聞いてくれたら…な?」
トラ男がその時、腕を強く引いて、抱き寄せてきたので、私は身を捩って必死に抵抗した。
「…!!いやっ!!」
「やめろ!トラ男!!あぐぅっ…!!」
京ちゃんが、トラ男にに飛びかかって行こうとして、仲間の男達に床に押さえ付けられた。
「京先輩!!」
「矢口さん!!」
私の後ろで、真柚さんも声を上げた。
「コイツがどうなってもいいのか?俺の言う事を聞いといた方がいいと思うぜ〜?」
楽しげにそう言うトラ男に合わせて、仲間の男達が下卑た笑い声をたてる。
「芽衣子ちゃん!!俺の事に構わず、そいつを蹴り倒して逃げろ!!」
「そんな…そんな事…!」
私は必死に叫ぶ京先輩に向かって必死に首を振る。
「は、早く俺の為にも逃げてくれーーっ!」
「黙れこの野郎!」
「ぐふぅっ!」
仲間の男が、京ちゃんの顔を殴りつけた。
京ちゃん…!!
「いやぁっ!矢口さん!!」
真柚さんが悲鳴を上げる。
「お願い!芽衣子さん!!矢口さんを助けて!!」
京ちゃん、京ちゃん…!!
あなたのためなら、私はどんな事だって…。
私はギュッと目を瞑ると、涙をポトポト落とした。
「わ、分かりました…。何でもあなたの言う事を聞きます…。」
「芽衣子ちゃん!ダメだ!!」
「いい子だ。」
「でも、京先輩の前では嫌です…。他のところでお願いします。」
涙を浮かべてそう懇願すると、嵐山魁虎はいやらしくニヤリと笑った。
「ああ。いいぜ?俺は紳士だからな。
邪魔が入らないところで二人でゆっくり楽しもうぜ?芽衣子ちゃん?」
「だ、ダメだ、芽衣子ちゃん!!やめろ、トラ男、やめてくれーーっ!!」
京ちゃんの叫びを胸が潰れるような思いで聞きながら、トラ男に肩を抱かれ、私は部屋を出た。
「ううっ。芽衣子さん、ごめんなさいっ。
矢口さんの事は、私が責任持って守りますから…!」
去り際に、真柚さんは芝居がかった様子で泣いていたが、私だけに分かるように、ニヤリと一瞬笑った。
「…!」
私はその邪悪な笑みを胸に刻みつけ、トラ男に隣の部屋に連れて行かれた。
「きゃぁっ…!」
部屋に入るなり、トラ男に突き飛ばされ、私は靴のまま、床に転がった。
「へへっ。たまんねーな。」
トラ男に、私の胸の辺りを舐めるように見られ、背筋がゾワッとした。
「どうせあの童貞拗らせ野郎の事だから、まだ手出してないんだろうな…。
S級美少女で処女とか最高かよ?」
「痛っ…!」
トラ男は私の顎を掴むと、無理矢理自分の方を向かせた。
「いいか。今からお前を犯して俺の女にしてやる。それから、鷹月勇夫のコネを使って、俺をキックボクシングの舞台にたてるようにサポートしろ。さもなくば、京太郎がどうなるか分かってんな?」
これから、トラ男が私にどんなおぞましい事をしようとしているのか考えると絶望的な気持ちになったが、涙を流して、了承するしかなかった。
「ううっ。分かりました…。だから、京先輩だけは、助けて下さい…。」
「いーぜ?用が済めば、奴は解放してやる。
その頃には、お前も強い俺に夢中になってるだろうからな。
所詮この世は弱肉強食。あんなひ弱な奴には、お前は過ぎた女だ。」
「この世は弱肉強食…。」
呆けたように呟いた私にトラ男は頷いた。
「ああ。強い俺がお前を幸せにしてやるから、安心して俺に抱かれろ。」
ドゴッ。ミシミシッ。
トラ男は、一発パンチを当てると、壁に小さな亀裂が走った。
!!
「痛い思いしたくなかったら、抵抗はしないほうがいいぜ?」
トラ男が私の体に手を伸ばしてくるのを手で制した。
「待って。その前に一言だけ言わせて下さい。」
「あん?なんだ?恨み言でも言うのか?」
私は嵐山魁虎にひそっと囁いた。
「トラ男くん、久しぶり。
次はぶっ潰してやるって私、言いましたよね…?」
「??!!お、お前、もしかして、
『めーこ』…?」
嵐山魁虎=トラ男が顔色を変えるのと、同時に、右足を蹴り上げた。
ドゴオォーッ。バキバキッ。
「っ…!!!」
瞬間体を逸らした為、その打撃はトラ男の顔をかするだけとなり、後ろの壁をバキバキに壊した。
「なっ、なんっ…??」
トラ男は、血が吹き出す頬を押さえながら、後ろの壁から中身の石膏がポロポロ落ちてくるのを見て、呆然としている。
「さっきの壁パンは、あれですよね?器物を損壊しても構わないから全力で向かって来いっていうトラ男くんの熱いメッセージですよね?ちょっと気にしていたんで、そう言ってもらえて嬉しいです。」
青褪めているトラ男を前に、私は獲物を狩る猛獣のように舌なめずりをして、ニヤリと笑った。
「所詮この世は弱肉強食…!!
全力で仕留めさせて頂きますね?トラ男くん?」
*あとがき*
めーこちゃん反撃開始です!
でもその前に、めーこちゃんと京太郎くんが、共に戦うことを決意してから、真柚から電話をもらうまで、二日間に何があったのか、4話程挟ませて頂きます。
めーこちゃんVSトラ男の戦いの行方はもう少しお待ち下さいm(__)m💦
近況報告にも書かせて頂きましたが、先日
10万PV達成しました✨✨
いつも読んで頂き、フォローや、コメント、応援、評価下さって本当にありがとうございます😭
今後も作品を見守って下さると嬉しいです。
どうかよろしくお願い致しますm(_ _)m
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