第64話 茶髪美少女のお願い
翌日の昼休み、いつものように屋上で、
芽衣子ちゃんに作ってもらったお弁当を
食していた。
昨日メールでリクエストした卵焼きがちゃんと入っていて、斜めにカットされたものが組み合わされ、桃を形作っている。
うーむ。相変わらず、芸が細かい。
このお弁当もいつか食べられなくなってしまうかもしれないと思うと尚更貴重なものに感じられて、俺はしみじみと有り難く噛みしめるのだった。
「京先輩。昨日は、帰りご一緒できなくてすみませんでした。敵(嘘コク女子)に遭遇するとか、何か危険な事はありませんでしたか?」
心配そうに聞いてくる芽衣子ちゃんに俺は苦笑いして答えた。
「いや、何もないよ。久々に昨日はマサとスギとラーメン行ったぐらいで。
芽衣子ちゃん、最近俺の事心配し過ぎじゃない?女の子じゃないんだからさ…。」
「だって、京先輩、今のこのご時世、用心に越したことはないんですよ?でも、お友達とラーメン食べれたならよかったですね。」
芽衣子ちゃんは満面の笑みを浮かべた。
「芽衣子ちゃん、マサとスギと話した事あったんだな?」
「あ、ええ、お昼にここ(屋上)に来る途中、お会いしてご挨拶したぐらいですが。」
「二人共君がいい子だって言ってたよ。」
「本当ですか?私の事話してくれてたんですね?そんな風に言ってもらえて嬉しいな…。」
芽衣子ちゃんは頬に手を当てて照れている様子をチラッと見て、俺は目を逸らした。
「あ、ああ。好感持たれてたよ?」
昨日は、二人から話を振られたときに、何だかんだいいながら、芽衣子ちゃんの事を彼氏面して色々語ってしまった気がする。
いつかは疎遠になると分かっていながら、恥ずいな俺…。
「め、芽衣子ちゃんは?昨日笠原さんと課題進んだ?」
「あっ。は、はい。半分位ガールズトークになってしまいましたが、倫理の課題は終わりました。京先輩に教えてもらった本のおかげです。ありがとうございました!」
深々とお辞儀をしてくる芽衣子ちゃんに慌てて言った。
「いやいや、大した事してないよ。まぁ、俺は男だから、芽衣子ちゃんの気持ちは全部分かってあげられないし、相談役には不向きかもしれないけど、またなんか困った事あったら、何でも言ってよ。」
「いいんですか?」
「へっ?」
芽衣子ちゃんはずいっと俺の前に身を乗り出した。
「今、私ちょうど京先輩に相談というか、お願いしたいしたい事があったんです。」
「え?そうなの?俺なんかで役に立てるかな?」
「はい。京先輩にしかお願いできないことなんです…!」
手を組み合わせて目をうるうるさせてこちらを見上げてくるあざとガールの芽衣子ちゃん。
「お、おう。いいよ?」
「京先輩、私を襲ってくれませんか…?」
???!!
目の前の茶髪美少女は、程よく大きな胸に手を当てて、真剣な顔で俺に頼み込んできた。
*あとがき*
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