第91話 優しいお祓い

芽衣子ちゃんの部屋に入るのは、これで二度目だが、相変わらず女の子の甘い香りがふんわり漂っている。


「京先輩。お茶どうぞ。砂糖とミルクも、入れます?」


芽衣子ちゃんは、ピンクのラグを敷いた床の上に俺と向かい合わせに座り、小さなローテーブルに、紅茶を注いだマグカップを二つとスプーン、砂糖とミルクセットを置いた。


「あ、ありがとう…。や、ストレートで大丈夫。頂きます…。」


紅茶を一口飲んで、カップを置くと、俺の話し始めるのをじーっと正座で待っている芽衣子ちゃんに向き直った。


「えっと…、聞いて欲しい話は、色々あるんだけど…。前に、芽衣子ちゃんと同じ名前の幼馴染みがいるって言ってただろ?」

「…!」


芽衣子ちゃんは肩をビクッとさせて頷いた。


「え、ええ…。た、確か“めーこ”ちゃん…でしたよね。」


「ああ。俺は幼馴染みのめーこに何もしてやれなくて、彼女と離れてからも、ずっと後悔してたんだ。」


「??めーこちゃんとはずっと一緒にいて、仲がよかったんですよね?一体何を後悔することがあるんですか?」


「俺は知ってた。めーこの目はとても綺麗で、前髪を切れば、とても可愛い女の子になるって。いじめっ子のトラ男=嵐山魁虎からもいじめられなくなって、皆の人気者になれるだろうって。」


「っ……!!」


芽衣子ちゃんは大きく目を見開いた。


「でも、めーこにその事を教えてあげられなかった…。そうなったら、めーこは、いじめられっ子の俺と遊ぶ理由なんかなくなるかもしれないと思ったから。一人になりたくない俺のエゴの為に、黙っていたんだ。


そうしたら、その後すぐにめーこが遠くに引っ越す事になった。本当の事を教えてあげれなかった俺への罰なんだと思った。でも、最後に会ったとき、めーこはそんな卑怯な俺を「ヒーロー」だって言ってくれたんだ。

お、俺は、めーこに申し訳なくてっ…。」


「きょ、京先輩っ…。」


後悔と自己嫌悪に頭を抱える俺に、芽衣子ちゃんは心配そうに、声をかけてくる。


「大丈夫ですか?辛いなら、無理して話さなくてもいいですよ…?」


「い、いや、大丈夫。心配かけてごめん。

めーこが引っ越した先で、そのまま、イジメにあい苦しんでいるんじゃないか。あるいは、めーこは可愛くなって、皆の人気者になってとっくに俺の事など忘れているんじゃないか。どちらしろ、その事を知ったら俺の事を恨むだろう。

めーこの事を考えると辛いから、記憶の奥深くにしまい込んで、意図的に考えないようにしてたんだ。最低だろ?俺…。」


芽衣子ちゃんは涙目でブンブンと首を横に振る。


「それでも、完全に忘れる事はできなかった。亮介の妹の真柚ちゃんに、最初会ったとき、前髪で顔を隠していた彼女を見て、すぐにめーこを思い出した。それで、今度は間違えないようにと、可愛い顔立ちを前髪で隠すのは勿体ないって言ったんだ。」


芽衣子ちゃんはそれを聞いて、何故かプクッと頬を膨らませた。


「(むぅ〜っ。京ちゃんけっこうタラシじゃないかぁ…?)」


「不登校で家に引き籠もっている真柚ちゃんを他人事と思えなくて、その後も、めーこにしてやれなかった事を真柚ちゃんにしてあげようと、勉強を教えたり、気晴らしにゲーセンに出かけたり、亮介と一緒にできるだけの事をやって、彼女を支えていたつもりだった。

だけど、俺が真柚ちゃんにした事は、ただの自己満足で、彼女を傷付けるだけだったみたいだ。

余計に寂しい思いをさせて、嵐山魁虎に近付く要因を作ってしまった。」


「そ、それは、京先輩のせいじゃ…!」


俺は苦々しい思いで首を振った。


「いや。彼女からハッキリ言われたんだ。

どうして、気を付けるよう忠告していたのに、嵐山魁虎に近付いたのかと聞いたら…。全部俺のせいだって…!

幼馴染のめーこの面影を真柚ちゃんに重ねて、中途半端に優しくして、不安にさせた。俺がちゃんと真柚ちゃんを受け入れていたら、嵐山魁虎に揺らぐ事はなかったって。

俺は返す言葉もなかったよ。」


「そんな…!」


「真柚ちゃんに何もしてやれない事を悟った俺は、そのまま逃げるようにその場を去った。

めーこにしても、真柚ちゃんにしても

俺が関わったばかりに不幸にしてしまったのかもしれない。

俺は俺に関わった人を誰も幸せにはしてやれないのかもしれない。

それなのに、俺は時間が経つとそんな事もすっかり忘れて、めーこと、同じ名前で同じ髪の色の芽衣子ちゃんの嘘コクミッションを引き受けてしまった。

芽衣子ちゃんも、俺といると不幸になる。

もう俺とは関わらない方がいいのかもしれな…。」


?!!


まくし立てるように話している最中に、

ふいに左頬に、冷たく湿った柔らかい感触を感じて目を見開いた。


気付くと、芽衣子ちゃんがこちらに覆いかぶさるような体勢になり、キスをされていた。


数秒の接触の後、ゆっくり離れていく彼女に、呆然と呟いた。


「めめ、芽衣子…ちゃん…???」


頬を真っ赤に染めた芽衣子ちゃんは、言い辛そうにモショモショと話した。


「え、えっと、お、お祓い…です…。」


?!


「京先輩は、何やらとーっても暗くてどんよりした気に取り憑かれているようだったので、今、祓いました。あっ、今なら初回無料サービス期間中で、お金は取りませんので、安心して下さいね?」


「へ?へ?」


人差し指を立てて、一生懸命説明をする彼女に、俺はついていけず目を瞬かせるばかりだった。

そんな俺に構うことなく、彼女はウンウン頷きながら、話を続けた。


「いやいや、悪い気に取り憑かれて京先輩、かなり分からんちんになっていたので、誤りを訂正しましょう。

まず、京先輩。あなたは誰も幸せにできない人間なんかじゃありません!

目の前の私を見てください。

あなたと出会えた瞬間から、あなたのおかげで今までずーっと幸せな女の子がここにいます。」


「芽衣子ちゃん…。」


目の前の茶髪美少女は、頬を薔薇色に染め、大きな瞳をキラキラさせ、とても幸福そうな笑顔を浮かべていた。


「今の私が少しでも不幸に見えますか?そんな事ないでしょう?

他にも、京先輩の周りには、あなたの事を大好きで、あなたのおかげで幸せになっている人が沢山いるのを、私は知っています。


京先輩は、真柚さんに言われた事にとらわれ過ぎて、その事が見えなくなっちゃってるんですよ。

それに、その真柚さんの言葉も、本心から言った事とは思えませんけど。


今日の真柚さんは、京先輩と仲直りしたがっていました。過去に一緒に過ごした時間が幸せだったからこそ、取り戻したかったんじゃないでしょうか。


京先輩にきちんと気持ちを伝えなかったこと、嵐山魁虎を選んだこと、全て真柚さんの選択であって、誰のせいにすることもできません。自分の中で処理しきれない辛い気持ちが、京先輩のせいと言わせてしまったんじゃないでしょうか。」


「もしそうだとしても、俺は、これ以上もう彼女と関わる自信がない。また、同じ事になってしまいそうで…。」


「それは…、京先輩が決める事ですから、私にはとやかく言うことはできません。でも、嵐山魁虎の件が片付いてからででも、真柚さんとは一度ちゃんと話をした方がいいのではないですか?」


過去の一時期大事な妹のように思っていた真柚ちゃん。変わってしまった彼女との関係。

そして、好意的な態度に戻っている今の彼女。

彼女の態度に翻弄され、受け入れられないでいたが、逃げずに一度向き合うべきだという事は分かっていた。芽衣子ちゃんに話を聞いてもらって、よりその事が明確になった気がする。


「そう…だな…。考えてみるよ…。」


芽衣子ちゃんは少し寂しげな微笑を浮かべ、頷いた。


「それから、幼馴染みのめーこちゃんの事ですが…。」

「…!」


彼女は、ふぅっと一息ついて、話し出した。


「京先輩は、罪悪感で、悪い想像しかしていませんが、私はこう思うんです。

綺麗な瞳をしている事をめーこちゃんに伝えてあげていたら、それは、もちろん喜んだと思います。

けど、それは、今までいじめられていた人からいじめられなくなるからでも、皆の人気者になれるからでもないと思います。

今まで…自分を精一杯…守ってくれて、側にい続けてくれた…幼馴染みの男の子がっ…、自分の瞳の美しさを…見つけてくれたっ…。その事が、な、何より…っ、何より嬉しかったに…違い…ありませんっっ…。」


「め、芽衣子…ちゃんっ?!」


俺は、話しながら綺麗な涙をポロポロ零す芽衣子ちゃんに驚いて問いかけた。


「ぐすっ…、ご、ごめんなさい…。お話を聞いていたら、お二人の関係がとっても素敵だなぁと思って、感動してしまって…。」


芽衣子ちゃんは泣き笑いの表情になって涙を拭うと、ローテーブルの上にあるティッシュで、思い切り鼻をかんだ。


「と、とにかく私の想像するめーこちゃんなら、京先輩を恨むなんて考えもしないと思いますよ?」


「でも、それだって、芽衣子ちゃんの想像でしかないだろう?」


「もちろん、実際に彼女がどう思っているかは彼女にしか分かりません。

けど、私みたいに思う可能性があることは否定できないでしょう?

京先輩は、悪い方の想像に、めーこちゃんを閉じ込めてしまっています。

そう強く思ってしまう原因が、真柚さんの不幸にあるというなら…、

今度こそ、助けてあげましょう。真柚さんを…!嵐山魁虎の手から…!!

そして、あなたの悪い想像の中に閉じ込められているめーこちゃんも、一緒に助けてあげましょう…!!」

「…!!!」


芽衣子ちゃんの強い眼差しに射抜かれ、俺は

胸に何か熱いものが込み上げてきた。


真柚ちゃんの為に…。

めーこの為に…。

何より自分自身の為に…。


逃げて項垂れているだけだった自分の心の奥に再び立ち向かう闘志が湧き上がってくるのを感じていた。


「芽衣子ちゃん、話を聞いてくれてありがとう…!俺、一人でもトラ男と戦う覚悟ができたよ。」


「ブッブー!不正解です!!」

「ええ?なんで?」


ファイティングポーズをとる俺に、芽衣子ちゃんは両手を交差させ、バッテンマークを作り、思い切りダメ出ししてきた。


「京先輩、私を追いかけてまで、過去の話を聞いて欲しかったんですよね?何の為ですか?私を遠ざけるためですか?過去を知った上で、それでも一緒にいて欲しいからですか?どっちですか…?」


視線を逸らす事を許さない真剣な表情で、芽衣子ちゃんは俺を食い入るように見つめてきた。


「そ、それは…。」


俺は、返答を躊躇い、目を泳がせた。

芽衣子ちゃんにだって選ぶ権利があるし…。

俺の願望を押し付けて、縛るわけにはいかないし…。

大体、一緒にいたいなんて、半分告白のようなもんじゃないか…?


俺の迷いや、躊躇い、照れ、逃げを目の前の真っ直ぐな綺麗な瞳は許さなかった。


「こ、後者だと…思います…。」


顔が熱く火照るのを感じながら、そう言うと、目の前の少女はこの上なく嬉しそうな笑顔になった。


「ふふっ。それじゃ、正解は分かりましたね?」

「…!」

彼女は、俺の手を両手で包み込むように、ギュッと握った。


「京先輩、で戦うんですよ!!」


その小さな温もりを愛おしむように、俺は、彼女の手の上に更に自分のもう片方の手を重ねた。



❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇


「めーこにしても、真柚ちゃんにしても

俺が関わったばかりに不幸にしてしまったのかもしれない。

俺は俺に関わった人を誰も幸せにはしてやれないのかもしれない。」


私は目の前で、苦しそうにそう言う京ちゃんを辛い気持ちで見つめていた。


京ちゃん、京ちゃん…!


今まで辛くて苦しい思いをずっと抱えていたんだね…。

大きくなってからの京ちゃんが、いつも一歩引いた大人な対応で、人から距離をとっていたのには、そんな理由があったんだね…。


そして、京ちゃんを苦しめる原因の一つに幼いときの私が関わっていると知って、私は堪らない気持ちになった。


罪悪感という暗い檻の中に閉じ込められている京ちゃんに、それは、間違いだって、本当はそんな事ないんだってどうしたら伝えられるだろう…?


「それなのに、俺は時間が経つとそんな事もすっかり忘れて、めーこと、同じ名前で同じ髪の色の芽衣子ちゃんの嘘コクミッションを引き受けてしまった。

芽衣子ちゃんも、俺といると不幸になる。

もう俺とは関わらない方がいいのかもしれな…。」


京ちゃん、違うよ。そんな事言わないで…!

考えるよりも先に体が動いていた。


私は、京ちゃんに覆いかぶさるように近付くと、その左頬に唇を押し当てた。


子供の時とは違う、引き締まった固い頬の感触ー。

目眩がするような幸福な数秒間の後、私は京ちゃんからゆっくりと離れていく。


「めめ、芽衣子…ちゃん…???」


京ちゃんは目を見開いて、呆然と呟いた。


どど、どうしよう…?

このままでは、気持ちのままにいきなりキスしてくる痴女になってしまう…!

(いや、全くその通りなんだけど。)


猛烈な照れが襲って来る中、私は必死に言い訳を考えた。


「え、えっと、お、お祓い…です…。」

「?!」


京ちゃんが、何言ってんだ、コイツ?という目で私を見ている。


そりゃ、そうだよね。でも、後には引けない…!私は更に思い付くまま、言い訳を並べた。


「京先輩は、何やらとーっても暗くてどんよりした気に取り憑かれているようだったので、今、祓いました。あっ、今なら初回無料サービス期間中で、お金は取りませんので、安心して下さいね?」


「へ?へ?」


人差し指を立てて、必死に説明をする私に、京ちゃんは目を瞬かせた。


京ちゃん、驚き過ぎて、さっきまでの

頑な程人を拒絶していた雰囲気が消えている。


よし、このまま勢いで話を通す…!

私は呆気にとられている京ちゃんに、そのまま話を続けた。


京ちゃんは、誰も幸せにできない人なんかじゃない!


小3で京ちゃんに出会ってから今まで、京ちゃんがどれだけ私に幸せを与え続けてくれた事か…!!


京ちゃんに必死に訴えた。


他にも京ちゃんの優しさが、お友達や、時には嘘コクしてきた女の子さえも、幸せにしているのを私は知っている。


おそらくは、真柚さんも京ちゃんと過ごした時間は、幸せだったんだろう。


その関係を失った今になって、必死に取り戻そうとするくらいなのだから。


京ちゃんとは想いの種類が違っていて、切ない気持ちがあったかもしれないけど、

自分の気持ちを伝えもせずに、嵐山魁虎に走ったのは、彼女自身の責任だと思う。


それなのに、後ろ足で砂をかけるように、

全部を京ちゃんのせいにして、彼を縛る呪いのような言葉を吐いた真柚さんを許せないと思った。


でも、そんな人でも、京ちゃんにとっては、一時期大切な人であったには違いないのだ。


できるだけ、真柚さんを悪く言わないように、嵐山魁虎の件が片付いた後、彼女と話し合った方がいいのではと提案した。


「そう…だな…。考えてみるよ…。」


京ちゃんはまだ迷ってるみたいだったが、私の提案を考慮に入れてくれるようだった。


真柚さんとの関係を今後どうしていくのか、

京ちゃんが決める事。私には干渉する事ができない…。

ただの後輩で嘘コクミッションに協力してもらうだけの間柄の私には…。


今の京ちゃんとの頼りない関係を、もどかしく思った。


「めーこ」=幼いときの私について、語ったときには、思わず泣いてしまった。


嬉しかった…!

京ちゃんの中で「めーこ」が心の大事な部分に住んでいたことが分かって。

京ちゃんが私を綺麗だと思ってくれていたことが分かって。


辛かった…!

私の事で、京ちゃんが長い間苦しんでいた事が分かって。


この場で、わたしが「めーこ」だと言ってしまえば、京ちゃんの心の重荷を一つは解消してあげられるかもしれない。


でも、だからといって、真柚さんがそれで救われるワケじゃない。京ちゃんは、自分一人でも、トラ男に立ち向かおうとするだろう。


そして、「めーこ」を今度こそ守ろうと、戦いの場から遠ざけようとするだろう。


でも、私は、!!


京ちゃん、ごめん…。

私、まだ、「めーこ」にはなれない…。


「京先輩は、悪い方の想像に、めーこちゃんを閉じ込めてしまっています。

そう強く思ってしまう原因が、真柚さんの不幸にあるというなら…、

今度こそ、助けてあげましょう。真柚さんを…!嵐山魁虎の手から…!!

そして、あなたの悪い想像の中に閉じ込められているめーこちゃんも、一緒に助けてあげましょう…!!」

「…!!!」


一緒に戦う覚悟を決め、京ちゃんにそう呼びかけると、お顔が紅潮して、その瞳に段々力が漲ってくるのが見て取れた。

綺麗だなぁ…。

そのキラキラした姿をずっと見ていたいと思う。


「芽衣子ちゃん、話を聞いてくれてありがとう…!俺、一人でもトラ男と戦う覚悟ができたよ。」


やっぱり、そう言っちゃうかぁ…。

ファイティングポーズを取る京ちゃんは、かっこいいけど、自分一人で何でも背負い込もうとするのは、ダメなんだよ?


「ブッブー!不正解です!!」


私は両手を交差させ、バッテンマークを作って、思い切りダメ出しした。

今日は私、京ちゃんに対してかなり強気の姿勢。


「ええ?なんで?」


「京先輩、私を追いかけてまで、過去の話を聞いて欲しかったんですよね?何の為ですか?私を遠ざけるためですか?過去を知った上で、それでも一緒にいて欲しいからですか?どっちですか…?」


私が真剣な表情で、一挙手一投足も逃さないように、京ちゃんを見つめた。


「そ、それは…。」


京ちゃんは、目を泳がせて、答えを言うのを躊躇っているようだった。

私は辛抱強く、京ちゃんの返答を待つ。


そして、やがて…。


「こ、後者だと…思います…。」


京ちゃん…!!


京ちゃんが、真っ赤な顔でそう言うのをたまらなく嬉しい気持ちで聞いた。


「ふふっ。それじゃ、正解は分かりましたね?」

「…!」

私は、京ちゃんの手を両手で包み込むように、ギュッと握った。


「京先輩、で戦うんですよ!!」


京ちゃんが、更にもう片方の手を私の手に重ねてきた。


重ねられた手が…胸の奥が…とても熱かった。


この人の心も体も私が必ず守ってみせる…!

そう強く心に誓った。





*あとがき*


いつも読んで頂き、フォローや、応援、評価下さって本当にありがとうございます

m(_ _)m


今後ともどうかよろしくお願いします。


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