第213話 王子様のキス♡〜馬の呪いから解き放たれて〜

〈前回のあらすじ〉


私&京ちゃん 反嘘コク同盟を結ぶ

       ファーストチュー💏

               ↑

お母さん(🐴)&静くん 目撃


✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽


私は人生上記念すべき大切な場面を家族に見られ、恥ずかしさにぷるぷるしながらもお母さん(馬バージョン)に、大事な事を伝えた。


「お、お、お母さん…。///プロジェクトAはもういの。今までありがとう…!

プロジェクトBに移行して、その後、頃合いを見計らって更にプロジェクトCへお願いします!!」


「…!!!わかったわ!ついにこの時が来たのね?」

「「??」」


馬…じゃない。お母さんは、ブルブルッと身震いすると、不思議そうな顔をする京ちゃんと静くんの前で、その馬の頭をゆっくりと取った。


中から現れたのは、年より若く見える上品な顔立ちのいつものお母さんだった。


「京太郎くん…。久しぶりね?」


「お、おばさん…!ご無沙汰してます…!」


さっきまで、突然の馬との再会に凍っていた

京ちゃんだったが、人間になったお母さんに挨拶され、急に緊張した様子で頭を下げた。


「ふぅ…。やっと馬の呪いが解けたか…。」


静くんが腕組みをして、苦笑いしていた。


「ふふっ。王子様の(娘への)キスで呪いが解けるなんて、おとぎ話みたいでロマンチックねぇ…。」


王子様きょうちゃん…♡♡」

「え、い、いやぁ…。||||」


※ちなみに、プロジェクトの内容は以下の通りです。


プロジェクトA…京ちゃんに、自分がめーこだと知らせていない状態なので、お母さんには、馬の面を被ってもらう。

プロジェクトB…京ちゃんに、自分がめーこだと知らせた状態なので、お母さんは、もう馬の面を被らなくてよい。昔の話もしてOK!

プロジェクトC…京ちゃんとラブラブ状態♡

極力二人きりにしてもらう。



❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇


お母さんにお茶とお菓子を出してもらい、

私達はリビングの席について、話し合う事になった。


「それにしても、お母さん、今日は出勤遅めだったのに、いつもより帰るの早くない?」


私の問いにお母さんは困ったような笑みで説明した。


「いえ、さっき鷹月先生から、芽衣子の留学の手続きについてお電話を頂いて、驚いてしまってね?

芽衣子と連絡は繋がらないし、静くんに連絡したら、京太郎くんに振られたみたいで泣いてるっていうから、同僚の人にお願いして、

今日は少し早めに上がらせてもらったの。


駅前のコンビニで静くんに会って、今は京太郎くんが来ているから、二人にしてきたっていうから、万一の事態にならないか余計に心配になって、急いで様子を見に来たってワケなのよ。でも、何事もなくてよかったわ…。」


「ああ…。俺も、うっかり情に流されて二人にしてしまったけど、人間兵器の芽衣子が矢口さんに何をするか急に心配になって、

母さんと一緒に帰って来たんだよ。

いや、矢口さん、ホント無事でよかったです…。」


「お母さんも、静くんも、私を何だと思っているの?」

「ハ、ハハハ…。」


京ちゃんの無事にホッと胸を撫で下ろすお母さんと静くんに私はぷりぷりと怒り、京ちゃんは顔を引き攣らせて笑っていた。


「まあまあ…。結果オーライならよかったじゃないの。二人は付き合う事になったの…よね?」


「「…!!//」」


お母さんの言葉に、私と京ちゃんは顔を見合わせた。


チューの現場は見られてしまったけど、

それは反嘘コク同盟の名の下にだったし、お母さんにどう説明したものかと、困っていると、京ちゃんがお母さんに力強く頷いてくれた。


「は、はい。さっきは急にすみませんでした。///けど、俺は、めーことちゃんと付き合っていきたいと思います。」


…!!京ちゃん…!!


お母さんの前で交際を宣言してくれる凛々しい京ちゃんの姿に、私はウルウルと胸の前で手を組み合わせて見惚れていた。


「矢口さん、本当にコイツでいいんですか?逃げるなら今の内ですよ?」


「静くん!!💢」


心底心配そうな静くんに、私は声を荒らげた。


「う、うん。めーこがいいと言ってくれるなら……だけど…。」


そう言って私の方を窺い見た京ちゃんに、私は振り子の人形のようにコクコク頷いた。


「もも、もちろん!私は京ちゃんと絶賛交際中だよ!!恋のプロジェクトABCのBまで爆進中だし!!」


「め、めーこ!!」

「!!||||」

「いや、聞いてねーよ…。」


ん?あれ?舞い上がり過ぎて私余計な事まで言ったような…。


気付くと、皆の顔が強張っていた。


「ううっ…。京太郎くんっ…。芽衣子をお願いしますね…?」

「は、はい。あの、でも、Bは事故みたいなもので…。健全な付き合いを心がけますから…!!」


お母さんに涙を流して頭を下げられ、京ちゃんが焦って対応してくれていた。


な、なんか、京ちゃん、ごめん…!


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