第212話 「反嘘コク同盟」結成&誓いのキス

『嘘コクにまみれた俺を守る為だったんだよな?いわば、感じの?』

「っ…??!|||| っ…??!!|||||||||||」


俺の言葉に期待を裏切られたような絶望的な表情を浮かべるめーこを前にして、やらかしてしまったことに気付いた。


いや、流石にこの期に及んで彼女の気持ちに気付いていないワケじゃないんだ…!


ただ…、「俺の事が好きなんだろ?」って言うのはなんか言い辛くて、他の言い方を探している内に、なんか変な事を言ってしまっただけなんだ…。


めーこがまた、忖度してくれて変な方向へ行く前に修正しなくては…!!


そう思い、俺が口を開きかけると…。


「そそそ、そうだよ?|||| あ、あはっ!

きょきょ、京ちゃん、よくわかったね?

あれは、京ちゃんを嘘コク女子から守る為の反嘘コク的な告白だったんだよっ!」


「…!!!!||||||||」


ああっ…!!めーこが忖度してしまったあぁぁっ!!


青褪めながら、涙目で宣言する彼女を見て、俺もショックを受けた。


「わ、私が好きなのは、!!


京ちゃんには、今まで嘘コクを通した関係だって言ってたけど、実際は反嘘コクを通した関係だったの!!


いうなれば、『』を組んでいたようなもんなんだよ!!」


「め、めーこっ…!!」


暴走してそんな事を口走るめーこを前に俺は血の涙を流した。


『反嘘コク同盟』とか、何言ってんのか、全く分かんねーよっっ!!


でも、そんな事をめーこに言わせているのはこの俺だぁっ!!


こうなってしまった以上は、俺が責任を取らなければ…!!


俺は悲壮な決意を胸に、めーこに真正面から向き合った。


「めーこにとって、その『反嘘コク同盟』とやらは、人生をかける程価値のあるものなのか?」


「当ったり前だよぉっ!!私は京ちゃんとの『反嘘コク同盟』に人生かけてるよぉっっ!!💢」


めーこはヤケクソのように叫んだ。


「じゃあ、その為に、俺とキス…できるぐらいか?///」


「当ったり前っ…え??キ、キス?!きょ、京ちゃんと…?!////」


俺の問いに勢いよく答えようとして、めーこは、狼狽え、目をまん丸にした。


「ああ。俺はめーこを、めーこは俺を、嘘コクしてくる奴らから守る為には、俺達の関係を付き合っているものと周知して、間に入る隙もないぐらい、ラブラブに見せるのが一番だろ?

キスやハグを出来る覚悟じゃないと無理じゃないか?」


「う、うん、そうだね…。//ご意見ごもっとも。京ちゃんは賢いね?」

「い、いや…。そんな…。(寧ろこんな状況になってこんな事を言ってる時点で賢くはないんだけど…。)」


急に大人しくなり、両手を組んで指をもじもじ動かしながら、俺を褒めてくる芽衣子に俺は苦笑いを向けた。


「ええっと…、勝手に嘘コク関係を解消して悪かったけど、本当は、反嘘コク関係だったというなら新たに『反嘘コク同盟』としての絆を結び直したら、どうかと思ったんだけど、どう…かな?」


「う、うん。いいと思う。あり寄りの大アリクイさんじゃないかな?」


不安気に隣を窺い見ると、めーこはまた独特の若者言葉を使って、嬉しそうに頷いた。


よ、よしっ。

少しだけ軌道修正出来たか…とホッとしていると、俺は袖がツンツンと引っ張られるのを感じた。


「ん?」


めーこが赤い顔で俯き、俺の袖を握っていた。


「あ、あの…。でも、京ちゃんはさ、私とシても…いいの…?」

「?!!///」


こちらをチラチラ上目遣いで窺いながら、そんな事を聞いてくるめーこのふっくらした胸の辺りをガン見しながら、俺は聞き返してしまった。


「フゴッ。な…ナニ…を…??」


やべ。鼻鳴らしちゃった。俺すげー変な顔してねーかな。


「キ、キス…。嫌じゃない…?//」


「え。あ、ああ…。なんだ、キスか…。嫌じゃないよ?」


恥ずかしそうにそう言ってくるめーこに、俺は少々脱力しつつ答えた。


「何で今、少しガッカリしたの?」


「えっ。いや、全然そんな事ないよ!」


そんな俺の反応を、めーこに追求され、俺は慌てて手を振った。

もっとすごい事考えてしまったとか、口が裂けても言えない。


「なんだ、キスかって…。京ちゃんにとってはそんなもんなんだね…。上月さんとした事あるから、慣れてるの…?」


「いやいや!上月とは、一緒にマッテリア行った位で、キスとかそういうのは一切してないよ。」


涙目になるめーこに、俺はマジにまずい反応をしてしまったことに気付き、焦った。


「ほんと?じゃ、まだ、誰ともキスした事ない…?」


「う、うん…。」


こちらを見上げて、真剣に問い掛けてくる彼女に大きく頷いた。


童貞どころか、キスもした事ないのに、何を俺はいっちょ前にガッカリしてんだ。


キスだけでも、どえらい事だというのに…。


今度は、めーこのぷるんとした、桜色の唇に目が惹きつけられてしまう。


ああ、もう、ガツガツするなよ、俺?!

今日は、彼女を傷付けてしまったばかりなんだから、欲望のままに行動するな!

頭を微かに振りながら自分にそう言い聞かせていると…。


「よかった…!もちろん、私もした事ないよ?京ちゃんとする時の為に大切にとっておいた…ハッ。///」

「めーこ…!///」


気がゆるんだのか、嬉しそうな笑顔で直接俺への好意を伝える言葉を漏らしてしまい、めーこは口元を押さえた。


「あっ。えーと、今のは、その…。反嘘コク同盟の精神に基づいた、いわゆる一つの、アレな奴で…。」


ぐるぐるの目で、必死に言い訳をするめーこが可愛くて、俺はちょっと笑ってしまい、そして結論を出した…。


やっぱり、俺、抑えるの無理だ…。だって、めーこは最強に可愛いもの…!!


意を決して、照れ臭い気持ちで提案した。


「めーこ。「反嘘コク同盟」結成の誓いにキ、キス…しよっか?」


「えっ。キ、キス?今っ?」


「うん。嫌…か…?」


「あっ。ううんっ!全然っ!!た、大変結構な事じゃございませんでしょうか?」


大きく首を振ってガッツポーズをとって突然敬語になるめーこ。




「で、では、反嘘コクの名にかけて!!ど、どうぞ…!!」

「お、おう。反嘘コクの名にかけて!!

じゃ、じゃあ…。」


俺達は立ち上がると、共に金田○少年の口癖のような怪しげな合言葉を言い合い、向かい合って…。


めーこは、固く目を閉じ、俺はその手触りのよい髪と柔らかい頬をなぞるように触れながら、かがみ込みゆっくりと顔を近付けて行った。


無防備な姿を晒す彼女は「めーこ」であり、「芽衣子ちゃん」であり、笠原さんから継承されし「ワンワン」であり、俺の最愛の女の子であり…。


「ハッ!」

「…!!」


唇があと数センチで触れ合うという時、彼女は何を思ったかパッチリ目を開いた。


けど、俺はもう止まれなかった。


「京ちゃ…。んぅっ…!」


何かを言いかけるめーこの口を塞ぐように唇を重ねた。


「んっ…。んんっ…んむっ…。」

「はぁっ…。んっ…。んむっ…。」


めーこの唇、すんげー柔らかくて温かい!!


初めて経験する、例えようもなく素晴らしい感触に感動しつつ、俺は溺れるようにその唇を貪り、更に深く重ね、舌先を甘く濡れている口内に侵入させた時…。



ガタンッ!


「「?!!」」


突然の物音に目を見開くと、真っ赤な顔で、目を閉じているめーこの背後に、

馬が鼻先をこちらに向け、ブルブルと身震いしているのに気付いた。



❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇


『嘘コクにまみれた俺を守る為だったんだよな?いわば、感じの?』

「っ…??!|||| っ…??!!|||||||||||」


京ちゃんに思わぬ事を言われ、私はパニックになった。


え?どういう事?


さっきまで、苦難の末、嘘コクの関係を終えた京ちゃんと私の真のラブコメが始まる流れじゃなかった??


今度は反嘘コク?!また1からやり直し?!!嘘でしょ??


京ちゃんの様子を窺うと、私の反応に青褪めていた。


え?もしかして、京ちゃんは、本当に反嘘コクとかいう関係を私と築きたいの??


えええ〜!!まぁ、側にいられるなら京ちゃんのどんな事でも受け入れられられると思ってたけど…。これは、流石に…。


京ちゃんは、縋るような瞳で、私を見ている。


あ〜もう!!分かったよっ!!!


所詮私はただの♀ワンコ!惚れた男には勝てないよぉっ!!!



「そそそ、そうだよ?|||| あ、あはっ!

きょきょ、京ちゃん、よくわかったね?

あれは、京ちゃんを嘘コク女子から守る為の反嘘コク的な告白だったんだよっ!」


「…!!!!||||||||」



青褪めながら、涙目で私がそう宣言すると、

京ちゃんは、大きく目を見開いた。


「わ、私が好きなのは、!!


京ちゃんには、今まで嘘コクを通した関係だって言ってたけど、実際は反嘘コクを通した関係だったの!!


いうなれば、『』を組んでいたようなもんなんだよ!!」


「め、めーこっ…!!」


暴走してそんな事を口走る私の前で、京ちゃんは感動したのか、涙を流していた。


京ちゃんは神妙な顔で、真正面から私に向き合い、こちらの覚悟を試すかのような質問をしてきた。


「めーこにとって、その『反嘘コク同盟』とやらは、人生をかける程価値のあるものなのか?」


「当ったり前だよぉっ!!私は京ちゃんとの『反嘘コク同盟』に人生かけてるよぉっっ!!💢」


私はは怒り混じりのヤケクソな気持ちで叫んだ。


「じゃあ、その為に、俺とキス…できるぐらいか?///」


「当ったり前っ…え??キ、キス?!きょ、京ちゃんと…?!////」


京ちゃんの問いに勢いよく答えようとして、私は、狼狽え、目をまん丸にした。


「ああ。俺はめーこを、めーこは俺を、嘘コクしてくる奴らから守る為には、俺達の関係を周知して、間に入る隙もないぐらい、ラブラブに見せるのが一番だろ?キスやハグを出来る覚悟じゃないと無理じゃないか?」


え?あれ?何??


反嘘コク同盟入ると、他の女の子達から京ちゃんを守れる上にキスもハグも出来ちゃって、実質的に恋人みたいになれるの?


条件メッチャいいじゃん!!


京ちゃんの提案に荒ぶっていた私の心は、すっと収まり、私は体をくねらせてコクコクと頷いた。


「う、うん、そうだね…。//ご意見ごもっとも。京ちゃんは賢いね?」

「い、いや…。そんな…。(寧ろこんな状況になってこんな事を言ってる時点で賢くはないんだけど…。)」


両手を組んで指をもじもじ動かしながら、褒めると、京ちゃんは、謙遜したような

イケメンスマイルを私に向けてきた。

→※芽衣子視点では京太郎はイケメンです。


「ええっと…、勝手に嘘コク関係を解消して悪かったけど、本当は、反嘘コク関係だったというなら新たに『反嘘コク同盟』としての絆を結び直したら、どうかと思ったんだけど、どう…かな?」


「う、うん。いいと思う。あり寄りの大アリクイさんじゃないかな?」


京ちゃんが不安気に私を窺い見て来たけど、今度は何の不満もなく、私は笑顔を向けた。


あっ。でも、一つ気になる事が…。


京ちゃんが私に側にいて欲しいというのは、

どういう気持ちからなんだろう?

幼馴染みとして?一緒に居て居心地のいい後輩として?


キスとかハグとかしても京ちゃんは嫌じゃないのかな?


「ん?」


私は赤い顔で俯き京ちゃんの袖を握った。


聞くは一時の恥。聞かぬは一生の恥。


恥ずかしいけど、勇気を出して聞いてみよう。


「あ、あの…。でも、京ちゃんはさ、私としても…いいの…?」

「?!!///」


私はチラチラ上目遣いで京ちゃんの様子を窺いながら、聞いてみると、京ちゃんは何故か私の胸の辺りをガン見していた。


ん?なんで??キスできるかどうかは胸の大きさによるって事かな??


「フゴッ。な…何…を…??」


「キ、キス…。嫌じゃない…?//」


動揺して鼻を膨らましながら聞いてくる京ちゃんに、意図が伝わってない事が分かり、私は恥じらいながら補足説明したが…。


「え。あ、ああ…。なんだ、キスか…。嫌じゃないよ?」


京ちゃんは、何だか、少しガッカリしたようにそう答えた。


え。何それ…。それぐらい何てことないのに

騒ぐなって事??


私は追求せずにはいられなかった。


「何で今、少しガッカリしたの?」


「えっ。いや、全然そんな事ないよ!」


京ちゃんは慌てて手を振ったが、私は上月先輩との事を邪推してしまい、涙目になった。


「なんだ、キスかって…。京ちゃんにとってはそんなもんなんだね…。上月先輩とした事あるから、慣れてるの…?」


「いやいや!上月とは、一緒にマッテリア行った位で、キスとかそういうのは一切してないよ。」


京ちゃんは慌てて否定したが、私は必死な思いで念を押した。


「ほんと?じゃ、まだ、誰ともキスした事ない…?」


「う、うん…。」


京ちゃんに、真剣な顔で大きく頷いてもらい、ようやく安心できた。


「よかった…!もちろん、私もした事ないよ?京ちゃんとする時の為に大切にとっておいた…ハッ。///」

「めーこ…!///」


気がゆるんで、ついうっかり長年京ちゃんとのファーストキスを夢見て来た事をバラしてしまった!


慌てて口元を押さえたが、もう遅い。


「反嘘コク同盟」とか言っといて、京ちゃんへの好意がだだ漏れちゃったよ。


驚いている顔を赤くしている京ちゃんに、混乱しながら私は必死の言い訳を試みた。


「あっ。えーと、今のは、その…。反嘘コク同盟の精神に基づいた、いわゆる一つの、アレな奴で…。」


よく分からない事を言いながら、手をブンブン振り回す私の仕草がおかしかったのか、京ちゃんにちょっと笑われてしまった。


ううっ…。恥ずかしい…。


でも、次の瞬間京ちゃんが真剣な目でこう言った。


「めーこ。「反嘘コク同盟」結成の誓いにキ、キス…しよっか?」


キス…シヨッカ?キス…シヨッカ?キス…シヨッカ?


3回頭の中で、反芻して、確かにそう言ったと確信できた私は、京ちゃんにすぐ聞き返した。


「えっ。キ、キス?今っ?」


驚く私に、京ちゃんは、頷いた。


「うん。嫌…か…?」


「あっ。ううんっ!全然っ!!」


私は大きく首を振って全否定すると、ガッツポーズをとった。


やったーーーっっ!!


長年夢見て来た京ちゃんとのファーストキスがついに…!!💏


「た、大変結構な事じゃございませんでしょうか?」


舞い上がり過ぎて何を言っているのか、自分でも分からない。


ああ、なんか夢みたい…💕


「で、では、反嘘コクの名にかけて!!ど、どうぞ…!!」

「お、おう。反嘘コクの名にかけて!!

じゃ、じゃあ…。」


私達は立ち上がり向かい合うと、共に金田○少年の口癖のような怪しげな合言葉を言い合い…。


私が固く目を閉じると、京ちゃんは、大きな温かい手で、髪と頬をなぞるように優しく触れてくれ、かがみ込みながらゆっくりと顔を近付けてくる気配がした。


うう、ドキドキし過ぎて心臓が破裂しそう…。


憧れの京ちゃんとついにファーストチューを…。

と思った時、私は一抹の不安がよぎった。


あれ?京ちゃん、キスとは言ったけど、場所は指定してなかった。


唇でいいんだよね?


そう思った時、唐突に先週ランチ会をした時に聞いた京ちゃんのお友達のスギさん、マサさんの口癖のような言葉を思い出した。


『『京太郎はヘタレだからな…!』』


そうだ…!


京ちゃんは、お友達にお墨付きを受ける程筋金入りのHE・TA・RE(ヘタレ)!!


もしかして、ほっぺやおでこにしてくれる

つもりだったのかも!?


「ハッ!」

「…!!」


少し唇を尖らせてキス待ちしていた自分が恥ずかしくなり、私は思わず目をカッと見開くと、焦点の合わない至近距離に京ちゃんの顔があり、一瞬動きを止めた。


あっ。どうしよう?ムード台無し…!

京ちゃん、キス止めちゃうかも…!?


焦った私は、この際場所はどこでもいいからキスして欲しいと伝えようと口を開きかけ…。


「京ちゃ…。んぅっ…!」


京ちゃんの唇で、その言葉を遮られた。


あ…。ちゃんと唇に来てくれた…。


柔らかくて温かい京ちゃんの唇の感触に涙がジワッと滲んだ。


頭の中がフワフワする…。


好きな人とするキスって、こんなに気持ちいいんだ…。


私、今、ここで死んでもいいぐらい、幸せ…♡♡


と思っていた私だったけど…。


「んっ…。んんっ…んむっ…。」

「はぁっ…。んっ…。んむっ…。」


あれれ??キスってチュッ。で終わりじゃないの?

京ちゃんのキス、思ったより長くて、どんどん深くなっていってすごい…!


唇の刺激に、気持ち良さと、酸欠に頭がクラクラしながら、もう私、本当にここで死んじゃうかも…と思った時、口内に柔らかく湿った京ちゃんの舌が入り込んで来た。


〰〰〰??!


これってハリウッドの俳優さんがよくやってるディープキスって奴?!


あっ…!なんか、鼻から熱いものが込み上げてっ……!!

あと、息がもう限界っっ!!!


と思った時…。


ガタンッ!


「「?!!」」


突然後ろで物音がして、ビクッとした京ちゃんが唇を離したので、私はそのタイミングでようやく息を吸うことが出来た。


「ぷはっ!はあっ…、はあっ…。」


危なかった。もう少しで鼻血が出るか、失神するかするところだった。


でも、今の物音は一体…??


「っ…??!|||| っ…??!!|||||||||||」

「京…ちゃん…?」


私の背後を凝視する京ちゃんの青褪めた顔を見て、後ろを振り返ってみると…。


「めめ、芽衣子…。京太郎くん…。||||||||」

「うわっ…。見ちゃったよ。」


「「っ…!!」」


お母さん(馬バージョン)と、その後ろにげんなりした表情の静くんが私達を見据えていた。


もしかして、今のファーストキス、二人にバッチリ見られちゃった?!


嘘っ!! 恥ずかしいっっ!!////








*おまけ話* 『静くん一生の不覚?!』


今話のラスト15分前ー。


「あら?静くん?」


芽衣子の母、氷川麻衣子は、急いで帰宅する途中、駅前のコンビニで静くんが雑誌を読んでいるのを目にして、足を止めた。


少し前、鷹月師匠から連絡をもらい芽衣子が留学を承諾したと聞き、

更に(芽衣子に電話が繋がらないので)静くんからどうやら失恋して、再びキックボクシングの道を進む事にしたらしいと聞き、驚いた麻衣子。


芽衣子と話し合う為慌てて帰宅する途中だった…。


「静くん!」


「あ、母さん…。」


コンビニに入って来た麻衣子に呼ばれ、読んでいた雑誌を棚に戻す静。


「芽衣子の様子はどう?もしかして…芽衣子が荒れてて家に居辛かったのかしら?ごめんなさいね…。」


申し訳なさそうな顔をする麻衣子に手を振って否定する静。


「ああ。いや、違うって。今、矢口さんが家に来ててさ…。最後に二人きりにしてやった方がいいかなと思ってさ…。」


頭を掻いて状況説明する静に、顔色を変える麻衣子。


「ええっ!!京太郎くんが家に!?それで、二人きりにしたっていうの?」


「あ、ああ。そう…だけど?」


いつも温厚な母の激しく動揺する姿に、戸惑う静。


!?||||||||」


「あああぁっ!!!俺とした事が、しまったぁ!!!||||||||」


麻衣子に指摘され、事の重大さにようやく気付き、頭を抱える静。


          *


「ああっ、神様っ!!芽衣子が取り返しのつかない罪を犯していませんようにっっ!!」


「矢口さん、ごめんっ!!どうか無事で、いてくれっっ!!」


家までの道を半狂乱でひた走る二人の姿があったとか…。



*あとがき*


読んで頂きまして、フォローや、応援、評価下さって本当にありがとうございます

m(_ _)m


今後ともどうかよろしくお願いします。

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