第152話 おまけ話 どっちがお好き?
サポ限近況ノートこぼれ話「電車に揺られて」より抜粋…。
89話と90話の間、嘘コク5人目の嶋崎真柚ちゃんの家の最寄り駅から、芽衣子ちゃん宅に電車で移動している時に、二人の間でこんな会話が交わされていました。
『実は、最近外行きの格好がマンネリ化してきちゃってたのが、悩みだったんですよね。
よかったら、京先輩、今度、どんな格好が私に似合いそうか、アドバイスしてもらえませんか?』
例によって手を組み合わせて、上目遣いの芽衣子。
『え、あ、ああ…。俺でよければ…。でも、俺あんま、ファッションセンスないよ?どっちかというと、俺の方が教えて欲しいぐらい…。』
『あっ。じゃあ、お互いの格好をアドバイスし合うというのはどうでしょう?』
『ああ、いいけど…。』
『よかった!京先輩、約束ですよ…?』
押され気味にOKする京太郎に、嬉しそうに笑顔を浮かべる芽衣子。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇
お互いの服についてアドバイスし合うという約束をした芽衣子と京太郎。
自宅のベッドにゴロゴロ寝っ転がりながら、ファッション雑誌をめくっている芽衣子。
「えへへ。京ちゃんどんなのが好きかな?
ん?『童貞を殺す服特集?』ふ、ふむふむ…。」
思わず、きちんと座り直し、真剣に雑誌を覗き込む。
ピタッとしたレースのブラウスや、スカートの組み合わせが沢山載っていた。
(京ちゃん、『童貞』って言ってたよね?
こういうの、グッときたりするんだろうか…。)
スマホでも、雑誌の服が載ってる、オンライン通販サイトを検索してみる芽衣子。
(いくつか選んで、ラインに画像を送って京ちゃんに相談してみようかな…?)
「ん?ウェブ限定商品?」
オンライン通販サイトに、ウェブ限定の「彼氏に見せる下着特集」のページがあるのを見つけ、クリックすると…。
「うわっ!スゴっ!!」
大胆なデザインの下着の商品の画像が沢山出てくる。
「これっ…!ほとんど紐…?全部見えちゃうじゃないっ?これなんか、大事なところに穴がっ?!」
赤面しながら、思わず見入ってしまう。
「流石にまだ、私には早過ぎるぅ…。でも、今の持ってるの(動物さんパンツ)よりもう少し大人っぽい下着何枚か持っててもいいのかな…。あ。この紐パン可愛いかも…♡ティーバックって、お尻が綺麗に見えるんだぁ!」
最初に過激なのを見たせいか、麻痺して他のものがそれ程でもないように感じてしまう芽衣子。
「いくつかピックアップして、マキちゃんに意見を聞いてみよう♪」
*
*
「ああっ、くっそぉ!スター取りそこねた!もっかいやり直しかよぉ?」
自分の部屋で、携帯ゲームをしていた京太郎。
ピンコン!
その時、スマホのライン着信音が鳴り響く。
「ん?芽衣子ちゃんから?」
スマホの表示を見て、文面を見てみてみる。
『京先輩。こんばんわんこの芽衣子です🐶』
ふふっと思わず笑みが零れる京太郎。
「なんだよ?こんばんわんこって。相変わらずわけ分かんないな…。」
『この間のどんな格好が似合うか、アドバイスして下さるってお話なんですが、ちょこっとご意見お聞きしていいですか?』
(ああ。そう言えば、以前、そんな事言ってたなぁ…。)
『うん。参考になるか分からないけど、俺でよかったら、いいよ。』
ポコンッ。
『ありがとうございます!』
柴犬の喜んでいるスタンプが送られ、続いて
2つの画像を送って来た。
ポンッポンッ。
「っ…?!っ…??!」
送られてきた画像を見て驚愕する京太郎。
1つ目の画像は、布地の少ないティーバックのパンツ(水色)、2つ目の画像は、レースの紐パン(白)。
『どっちがお好きですか?ご意見聞かせて下さい♥』
続いてこんな文面が送られて来た。
(えっ?!アドバイスって下着の事?てっきり、俺服の事だと思ってたんだけど…。
しかも、デザインなんて過激な…!//
これにアドバイスするって、俺、どんな意見出しても、変態にならないっ?!)
『京先輩っ!お好きな方の下着身に付けて来ましたぁっ。チラッ。見てくださいっ。わんわんっ。』
「ぐ、ぐはぁっ!!」
思わず、その下着を身に着けている芽衣子を想像(妄想)し、鼻血を出す京太郎。
「や、やばい。ティッシュティッシュ!」
床にポタポタ血を垂らし、辺りは大惨事であった…。
*
*
一方その頃、部屋で京太郎の返信を待っていた芽衣子。
「ん?京ちゃん、急に返信来なくなったぞ?お手洗いでも行ったのかな??」
首を傾げていると、ライン通知音が鳴った。
「あっ。マキちゃんだ!」
『芽衣子ん。画像見たよ〜?どっちも可愛いじゃん😙白のもいいけど、あたしは、水色のが好きかな?芽衣子、スタイルいいから、体のラインが綺麗に出そう👍』
「そっか〜。確かにティーバックの方がお尻のライン綺麗に出そうだもんな〜。マキちゃん、ありが…。」
返信のお礼を打っている最中、続いて送られてきた文面を見て、芽衣子はピキンと固まった。
『ブラウス、芽衣子に似合うと思うから、
今度ぜひ着て見せてくれい🥰
それと、さっき、下着悩んでるって言ってたけど、それはもういいの?』
(え。ブ、ブラウス…?!私、下着の画像送ってない…??)
送った画像を確認してみると、確かに、京太郎に送ったと思っていた、ブラウスの服の画像が2つマキちゃんのラインの方に送られている事が分かった。
「そ、そんなっ!す、すると、まさかっっ!!」
震える手で京太郎とのライン画面を開くと…。
「ふぐぎゃあああぁっっ!!!!」
思わず、悲鳴を上げる芽衣子。
ライン画面に、ティーバックのパンツと、紐パンの2つの画像を送っている事が発覚。
「ううっ。うわあぁっ。どうしようっ!?
京ちゃんに、こんなもの送り付けていたなんてっっ!!」
絶望感と恥ずかしさに両手で、顔を覆う芽衣子。
そこへ返信のライン着信音が鳴り響く。
ピンコン!
「ひいぃっ!!」
ドキドキする胸を押さえ、京太郎からのメールを確認する芽衣子。
『え、えーと、どっちも可愛いと思うけど、俺は男だから、こういうのよく分からないな…。笠原さんに聞いてみたら、どう…かな…?』
「…!!!」
思わず、京太郎にライン電話をする芽衣子。
『は、はい…。ど、どした?芽衣子ちゃん?』
「きょ、京先輩っ。違うんですっっ!私、間違えた、間違えたのっ!!本当は、洋服の画像を送ろうとしたんですっ!!
うわあぁ〜ん!!痴女だなんて、思わないで〜っっ!!」
『め、芽衣子ちゃん。分かった。分かったから泣かないで?』
大泣きする芽衣子を慌てて宥める京太郎。
大惨事であった…。
*
*
電話を切り終わって、疲れ果ててベッドにぐったり横たわる芽衣子。
「はあぁ…。やらかしちゃったなぁ。」
チラッとスマホに目をやる…。
「どっちも、可愛いって言ってた…よね?」
ムクッと起き上がり、スマホを操作すると…。
ティーバックパンツと、紐パンをカゴに入れ、購入ボタンをポチッと押す。
「えへっ!買っちゃった♡きゃ〜やだ、もう、私ったら!!」
ベッドの上で足をバタバタさせて身悶える
芽衣子は、やはり、懲りない女であった…。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇
来週も、おまけ話の更新になります。
京太郎&芽衣子過去編
幼馴染み(潮&雅、芽衣子&京太郎)過去編
潮&雅 真実の井戸から、教室へ向かったその後の話
をお届けしていきたいと思います。
よろしくお願いしますm(__)m
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます