第151話 いつもの朝
それは、いつもの朝だった。
いつもと同じ時間に起き、同じように朝食にパンを食べ、先に母が家を出て、その少し後に戸締まりをして家を出た。
そして、いつもと同じ位の時間に登校し、
(スギは、かなり早め、マサはいつも時間ギリギリに登校する為に、登校途中で会うことはあまりない。)
いつもと同じとは言っても、今日は、苦手な英語の授業で発表がある予定だし、
芽衣子ちゃんは、お弁当に今日は俺の大好きな唐揚げ弁当と豚汁(この場合、白いご飯の上に梅をほぐしたものと、三つ葉で桃のマークを飾り付けてくれる事が多い。)を作ってくれると言っていたし、それなりに、嫌な事、楽しみな事はあるものの、トータルで言えば昨日と同じような平和な一日を送る事になるだろうと信じて疑わなかった。
上履きに履き替える為に靴箱の扉を開くまでは…。
ガチャッ。
?!!
靴箱の中には上履きの他に、隙間にひっそりとしかし、存在感のある薄桃色の封筒が入っているのに目を見開いた。
その封筒を見るのは、初めてではない。
新学期入って少しした頃、可愛い薄桃色の封筒を靴箱で発見して、しばらくその場に固まった事がある。
封筒には『矢口京太郎様』と、決して上手くはないが時間をかけて丁寧に書いたと思われる筆跡で書いてあった。
裏を返すと、可愛い花のシールで封をされており、その下には『氷川芽衣子』
と小さく書かれている。
やっぱり…。
『京先輩。近い内に最後の嘘コクミッションをしてもいいですか…?私、京先輩に伝えたい事があるんです。』
芽衣子ちゃん。今日なのか…?
芽衣子ちゃんの初めての嘘コクから6ヶ月ほど…。今まで起こった色んな出来事、芽衣子ちゃんと過ごして来た日々を思い出し、様々な思いが胸に去来した…。
そして、芽衣子ちゃんとのこれからはどうなるのか…?
不安と期待の入り交じる中、気付くんだ。
いつもと同じといいながら、半年前のいつもと今のいつもが違っている事に。
いつの間にか君が当たり前のように俺の日常に入り込んでしまっている事に。
俺は君と一緒にいる
俺は、知らずの内にその薄桃色の封筒を力を込めて握り締めてしまい、綺麗な封筒に皺を寄らせてしまった。
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*あとがき*
これにて、嘘コク6人目のお話は、終わりです。
ちょっと長くなってしまったけど、最後まで読んで下さってありがとうございました
m(_ _)m
嘘コク6人目の白瀬先輩は、出会うタイミングがあの時でなかったら、もしかしたら京ちゃんと付き合っていたかもしれませんね。
めーこちゃんは、そのポンコツさ故に風紀委員の問題を解決し、完璧な白瀬先輩は、めーこちゃんとの関係を進めるべく、ヘタレな京ちゃんの背中を押し、共に前に進んで行く
過程で、白瀬先輩も、京ちゃんも残した思いを清算し、過去を振り切りました。
白瀬先輩、私は好きなキャラですが、読者の皆様はどうでしたかね…😌💦
次は、いよいよ、嘘コク7人目。同じ部活の部長さんです。
彼女は、胸糞という程ではないけど、今回の嘘コク6人目の話で芽衣子ちゃんが乗り越えた事を乗り越えられなかった為に拗れてしまった人です。
嘘コク7人目からラストに向けての
テーマは『別れ』※ハッピーエンドと初めてのキスがある事は保証します。
ラブコメのジャンルでありながら、今までチュウすらない中ここまで読み進めて頂いた
読者の皆様には、本当に感謝しかありません
😭
最後まで京太郎くんと芽衣子ちゃんの行く末を見届けて下さると嬉しいです。
今後もよろしくお願いしますm(__)m
追記:次回は嘘コク7人目のお話と書いてしまいましたが、明日からしばらく、おまけ話の更新になります。
紛らわしくて大変すみませんm(_ _;)m💦💦
嘘コク7人目本編は、4/12(水)〜になりますので、よろしくお願いします。
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